「AIBOの影」を追いかけるソニー電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン 編集後記

ソニーがロボット事業への再参入を発表しましたが、それは「AIBOの影」を追いかけることを指すのでしょうか。

» 2016年07月11日 11時00分 公開
[渡邊宏MONOist]

 この記事は、2016年7月11日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたMONOist/EE Times Japan/EDN Japan/TechFactoryの編集担当者による編集後記の転載です。


 ソニーが2016年6月29日に開催した経営方針説明会の席で、ロボット事業への再参入を発表しました。

初代「AIBO」(ERS-110) 初代「AIBO」(ERS-110)

 このニュースを耳にした人がまず思い出したのは、犬型ロボット「AIBO」でしょう。初代AIBO(ERS-110)は「世界初の家庭用エンターテイメントロボット」として1999年に登場、その後には音声認識機能を搭載したERS-210、ぬいぐるみのような外観のERS-310などと続いて登場しましたが、2006年3月には生産を終了。最終モデルの部品保有期間も2012年12月に切れ、公式の修理対応は完全に終了しています。

 生産終了から10年。「家庭用ロボット」というカテゴリーを築き上げながら、ソニーからロボットの火は消えたままでした。しかし、その間に市場では第三次ロボットブームと呼ばれるようになるほどロボットは注目されることとなり、PepperやRoBoHoNといったヒト型家庭用ロボットが登場しました。また、AIBOが指向したエンタテインメント方面ではなく、ルンバのような実益を重視した家庭用ロボットが日本社会における市民権を得たことも、この10年間で特筆すべき出来事と言えましょう。

 そんな10年の時間を経て、ソニーがロボットに再参入します。

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