2016下半期の転職市場、求人数の伸びは鈍化――全体では活況続くキャリアニュース

転職サービス「DODA(デューダ)」が「転職市場予測2016下半期」を発表。下半期の転職市場は、求人数の伸びは鈍化するものの、全体では活況が続くと予測されている。

» 2016年07月19日 14時00分 公開
[MONOist]

 インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」は、2016年7月14日に「転職市場予測2016下半期」を発表した。

 2016年下半期(7月〜12月)の転職市場は、求人数の伸びは鈍化するものの、全体では活況が続くと予想されている。企業が人材採用を抑制する気配はまだないが、国内の景気動向が先行き不透明なため、転職する意思が固まっているのであれば、年内の内定獲得を目標にするのが得策と言えそうだ。

あらゆる業職種にテクノロジーが影響

 転職市場予測では注目のキーワードとして、「フィンテック」「データサイエンティスト」「デジタルマーケティング」「グロースハック」「BIM」「EC」「組み込みエンジニア」「オムニチャネル」「FA(Factory Automation)」などを挙げている。あらゆる業職種に、テクノロジーを活用した業務変革の波が来ていることから、テクノロジーに対応し、データを活用して仕事をしてきた人材の市場価値が高まりそうだ。

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 さらに、DODAでは下半期の転職市場を11の業種・職種に分け、それぞれの動向を予測。その中のいくつかを紹介する。

 「IT・通信」は、下半期も求人数が豊富な状態が続くと予想されている。開発案件はWeb系のプロジェクトが目立つが、基幹システムもボリュームが大きい。この先の景況感で事業戦略を見直すにしても、IT人材の採用意欲は衰えそうにない。また、ITエンジニアの転職先の選択肢が拡大し、IT業界・部門以外の領域でもニーズが増えている。

 「電気・機械」は、モノづくりエンジニアの求人数が横ばいで推移。しかし、モノづくりエンジニアに対するニーズは相変わらず高く、有利な状況が続きそうだ。中でも、自動車部品、完成車、産業装置、電子部品、半導体などのメーカーで、求人ニーズが高いようだ。

 「化学・食品・化粧品」の求人も、横ばいで推移すると予測。研究・開発系のエンジニア職だけでなく、品質管理、品質保証、化学法規、技術営業などにも採用ターゲットが広がっている。

 「建築・土木」は、技術者の求人数が緩やかに増加する見込み。技術者の求人は、7月以降に求人数が増す傾向もあるという。「資格や業務経験があること」を必須要件から外す中堅・中小規模の企業が増えており、転職のチャンスが広がっている。

 「メディカル」業界の求人数は、ほぼ変わらずに横ばいで推移すると予測。どの職種にも、オンコロジー、学術的バックボーンといった市場価値につながるキーワードがあり、該当する人は有利に転職できそうだ。

 「営業」は、求人数が緩やかに増加する見込み。人材サービス(アウトソーシング企業を含む)、介護サービス、医療業界などで採用意欲が特に強く、メーカーの中では食品・飲料メーカーも増加しそうだ。新しい事業での成長を目指す企業では、営業職出身者の新事業領域企画部門への受け入れも進んでいる。

 「人事・経理・法務」では、企画・管理部門の求人数が緩やかに増加すると予測。人事と法務は横ばい、経理は微増。ビジネス感覚が強く、経営の視点で専門分野の知見を生かせる人材に注目が集まりそうだ。

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