製造現場の知能化をけん引、オムロンが産業用PCに参入へスマートファクトリー(1/2 ページ)

オムロンは、新たに産業用PCに参入し、同製品群をグローバルで2016年8月1日に発売する。

» 2016年07月27日 08時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 オムロンは2016年7月27日、新たに産業用PC(IPC)に参入し同製品群をグローバルで2016年8月1日に一斉発売することを発表した。

 産業用PCは、通常のPCと同様にさまざまなソフトウェアアプリケーションを利用することが可能だが、ファクトリーオートメーション(FA)用制御機器などで必要な品質基準を満たし、長期的な安定供給を実現した、PCアーキテクチャベースの制御プラットフォームである※)

※)関連記事:工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは〔前編〕

 IoT(Internet of Things、モノのインターネット)やビッグデータ活用、ロボット技術など最先端技術を生産現場に導入し、革新的なモノづくりを目指す動きが世界規模で広がる中、工場内の各種機器やシステムについても「オープン性」と「ネットワーク対応」の波が巻き起こっている。

 現在は、改善ポイントの抽出や予防保全などのためのデータ収集を目的に、ライセンス管理が煩雑でサポート期間の短いオフィス用PCが生産現場においてプログラマブルロジックコントローラー(PLC)と接続されるケースが目立っている。一方、メインコントローラーとしてリアルタイムOSを搭載した専用ボードを内作する、半導体製造装置や工作機械などの設備メーカー各社では、汎用的な制御機能の開発を外部に委託し、競争優位につながるコア技術の作り込みに開発リソースを集中する動きが広がっている。こうした中、開発自由度の高いPCアーキテクチャをベースとする汎用コントローラーへのニーズが世界規模で高まっている。

産業用PCに参入

 オムロンでは従来はPLCの機能向上に取り組み、高度なCPUなどを搭載しオープンスタンダードを効果的に活用した高機能PLC「Sysmac NJシリーズ」など、産業用PCに近いPLCの展開を進めてきた。しかし、ニーズが広がりを見せる中で、新たにラインアップをそろえ、産業用PCとPLCをそれぞれ展開していくことを決定。2015年12月に開催されたオートメーション技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2015」で、産業用PCの試作モデルを披露していた※)

※)関連記事:M&Aの成果を示すオムロン、新規参入のロボットや産業用PCなどを披露

 今回は、正式に2016年8月1日に産業用PCをグローバルで一斉発売することを発表。「産業用PC」「産業用PC IPCマシンコントローラー」「産業用PC IPC RTOSコントローラー」「産業用PC IPC プログラマブル多軸モーションコントローラー」の4タイプの製品を展開する。

photo オムロンが新たに投入する産業用PCプラットフォームシリーズ 出典:オムロン
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