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» 2016年08月08日 10時00分 公開

DMS2016:装置自身も活用法も、高度に進化してきた3Dプリンタ (2/4)

[加藤まどみ,MONOist]

 ストラタシスのブースではハイブリッドモールドを利用して試作したタカラトミーのミニカー「トミカ」の試作量産品も展示。同社は通常、モデルデータの完成後、6カ月かけて量産にまで持っていっていた。だがハイブリッドモールドの方式を採用することで、量産品100台を3週間で完成させたそうだ。「より素早くトレンドのデザインを提供することができるだろう」(ストラタシス)としている。

トミカのプレス型および射出成型型

 ハイブリッドモールドのアルミ金型を切削したのはローランド ディー.ジー.(以下、ローランドDG)の切削加工機「MDX-540S」である。MDX-540Sは治具製作や小ロット生産向けのアルミ型、樹脂などの加工に向く「切削RPマシン」だという。

 ローランドDGがDMS会場でノベルティとして配布していたペットボトル用ストラップも、射出成形部分にもハイブリッドモールドが使われていた。また射出成形パーツへのプリントには、ローランドDGのUV-LEDインクジェットプリンタ「VersaUV LEF-20」が使用されている。LEF-20では凹凸を濃淡値に読み替えることで立体的に印刷し、手触りを作ることができる。また厚さ100mmまでの立体物にも印刷できるという。

UV硬化インクジェットプリンタ「LEF-20」の透明インクでシボを印刷している。板やジーンズのような凹凸も表現することができる。

ペットボトル用ストラップとその金型。ペットボトルの首にはめ込む樹脂部分の型にはMDX-540S、印刷にはLEFシリーズが使われている。ストラップ部分のプリントも同社の昇華転写プリンタ。

手術練習に使えるリアルな臓器モデル

 製造業だけでなく医療分野においても3Dプリンタの需要は高い。例えばリアルな触感のモデルを使った手術の練習や、患者本人のモデルを使った術前のインフォームドコンセント、また金属による人工骨の作成などが行われている。

 武藤工業は医療分野の技術開発などを手掛けるアールテックと協力し、リアルな触感を持つ心臓などの臓器サンプルを展示。3Dシステムズのフルカラー粉末固着式3Dプリンタ「Projet 660Pro」とアールテック提供の粉末を使い、石膏(せっこう)材料と同様に出力して、最後に専用の接着剤に含浸させる。出力物は水の中で保存する。データは顧客側で用意し、1件製作につき5〜10万円程度だという。

武藤工業とアールテックによるリアルな触感をもつ臓器モデル。小児心臓、心臓、心臓弁など。

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