特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2016年08月15日 11時00分 公開

追い風を受けるOCF、IoTを取り巻く各社の思惑にも変化IoT観測所(24)(3/3 ページ)

[大原雄介,MONOist]
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 さて、この話と直接絡むわけではないのが、もう1つ気になるのがThread GroupとOCFが協定を結んだ事である。発表文によればコネクティッドホームにおける相互接続性を担保する目的で“Liaison Agreement”を結んだ、とある(The Thread Group and Open Connectivity Foundation Create Liaison Agreement to Increase Application Connectivity and Choice in Connected Home)

 日本語訳すれば「連絡協定を結んだ」というニュアンスで、それほど強いつがりを持つわけではないが、公式にお互いが連絡し合える窓口を設けることに同意した、という感じだろう。

 前身のOICも含めてOCFはTransport層は何でもアリという考え方であり、下の写真にThreadが入っていなかったのは、単にその時点でThreadが無かったから、という感じもしなくもない(下写真は2014のIntel Developer Forumで紹介されたもの)。

photo OICが2014年のIDFで示したTechnology Foundation。Transport層について特に指定はされていない

 一方のThreadであるが、以前説明した様に基本はTransport層の仕様であり、ZigBeeをベースにメッシュネットワークを実現するプロトコルである(IoT観測所(3):メッシュネットワークをキーにIoTへ進む「Thread Group」)

 従って両者はきれいな補完関係にあるから、OCFとの連携は不思議ではない。また、ThreadはGoogleのBrilloでもサポートされており、その意味ではこの提携そのものに不思議は点はなく、AllJoynでもThreadは利用可能である。例えばNXP(というか、Freescaleというか)が公開しているこのビデオでは、Threadプロトコルを利用してAllJoynのフレームワークを稼働させている。

「QualcommがThreadにBoardとして加入」の意味

 ただここにQualcommが2015年7月にThread GroupにBoardとして加盟している事実を加味すると、異なった意味合いに聞こえてくる。話を蒸し返すようだが、QualcommはAllSeen Allianceを立ち上げた当事者であり、AllJoynもまた物理層には依存しない事をうたっている。なので、Threadをサポートするのは問題ないし、上に書いたように既にThread上でAllJoyn Frameworkが稼働するデモすら存在する。

物理層には依存しないことをうたうAlljoynのフレームワーク

 ところでQualcommはいわずと知れたスマートフォン向けのプロセッサとモデムのベンダーであるが、同社はWi-Fi/Bluetoothはソリューションとして提供するがIEEE 802.15.4は今のところ対応していない。これがゆえに、当初のAllJoynのデモはほとんどがBluetoothないしWi-Fiで行われていた。今後、Threadベースの製品が増えてきた場合にQualcommはどう対処すべきか。

 理屈ではQualcommが自社モデムにIEEE 802.15.4のサポートを追加すればいいのだが、これにはコストもかかるし普及に際しても時間が必要だろう。であれば、IEEE 802.15.4のサポートはOCF側に任せしてしまい、Qualcommベースの製品は先にMicrosoftが紹介したようにブリッジ経由でThreadのデバイスに接続するとすれば、IEEE 802.15.4の対応を急がなくてもThreadデバイスを利用できることになる。

 さすがにこれはちょっとうがちすぎなのかもしれないが、さまざまな標準規格が提携してゆくと、こうしたアプローチもありえる様に筆者には考えられる。

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