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» 2016年08月26日 10時00分 公開

すごく硬い金属でもおまかせ! 火花飛び交う放電加工の現場、見たことある?ママさん設計者の「モノづくり放浪記」(4)(6/7 ページ)

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]

研磨技術と職人技と組織

 放電加工機以外にも、マシニングセンタ(牧野フライス)やNCフライス盤(静岡鐵工所、関東精機)といった工作機械が並びます。これらでは金型部品の一次工程や荒物の切削部品の加工を行っています。

マシニングセンタ「MSA40」(牧野フライス)

 こちらは成型研磨機。全て黒田精工製で、全部で7台備わっています。

成型研磨機

 ノムラは研磨業から金型業へ発展してきたことは先述の通りなのですが、金型製作の技術力が高く評価されているのは、この研磨で培ってきた職人技による部分が大きいのだなと感じます。

 リーマンショック直後、一時的に金型の仕事が途絶えた時に、ノムラを支えたのは、研磨の技術を生かした精密部品加工の仕事でした。

 「金型メーカーが手掛ける部品加工は、面粗さや仕上がりのレベルが違う」。ノムラには自負がありました。そうしてリーマンショックを乗り越えながら、現社長のみつ子氏は次第に、「これからはもう、ただモノを作っていればよい時代ではない。付加価値が必要なのだ」と思うに至ります。そして「要求された精度をきっちり出すには、技術も人手も共に重要。これは品質に直結するものだから、目標を定めて統制を取ることで、いずれ付加価値へとつながるのでは」と、気付きを得ます。

 そこでまず、「個々の職人意識を組織として動かすためにすべきこと」として、2007年(平成19年)にISO9001を認証取得。2013年(平成25年)には「環境整備を全ての業務の基本とし、会社の文化とする」を、経営基本方針に定めます。そうして品質向上と人財教育にまい進する中で、みつ子社長が一番大切だと感じたことは、「5S活動の徹底を通しての意識改革。それをトップ自らが実践すること」。でした。トップの背を見るうちに、やがて社員ひとりひとりが気付きを得て、次第に不良率も下がっていきました。そして、「気づいたことは即実践、そして継続」を念頭に行動するようになり、社内のチームワークとコミュニケーションが自然と形になり、結果的にボトムアップにつながっていったとのこと。今後も、より環境整備、5S活動を強化、継続し、「人づくり・モノづくり」を通して社会に貢献できる企業を目指したいと、みつ子社長は熱く語られました。

 モノづくりにおいて、個々の技能やセンスはもちろん大事だけれど、組織で取り組む上ではチームワークの良しあしが最重要テーマであると、ここノムラでも再認識することができました。


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