生命保険に医療ビッグデータを活用する共同研究を開始医療機器ニュース

第一生命保険と日立製作所は、医療ビッグデータを生命保険事業に生かすための共同研究を開始した。将来の疾病罹患や予後を予測するモデルを構築することで、保険の引き受けや支払い査定機能の高度化、新たな保険商品の開発などを目指すという。

» 2016年09月21日 08時00分 公開
[MONOist]

 第一生命保険と日立製作所は2016年9月6日、医療ビッグデータを生命保険事業に生かすための共同研究を開始した。将来の疾病罹患や予後を予測するモデルを構築することで、「保険アンダーライティング機能(保険の引き受けや支払い査定機能)」の高度化や、新たな保険商品の開発などを目指すという。

 両社が掲げる共同研究のテーマは2つ。1つは「一人ひとりの健診結果と健診受診後の入院・手術などとの関係を分析し、将来の疾病罹患の予測に加え、その重症度や続発症、併発症などの予後の状況も予測するモデルの構築」。次に「第一生命が有する保険の引き受けに関する医学的知見・ノウハウと、日立が有するデータサイエンススキル・ノウハウの融合による、医療データ・サイエンティストの育成・強化」だ。

 また、第一生命は今回の共同研究を踏まえて、保険アンダーライティング機能の高度化を目指し、以下の取り組みを進める。

 「引き受け範囲の拡大」では、将来の疾病罹患を予測し、顧客それぞれのリスクを把握。その重症度や予後まで予測し、これまで持病や病歴などにより保険に加入できなかった顧客も加入可能な仕組みを検討する。

 「商品・サービスなどの開発への応用」では、蓄積したデータから介護や高額医療費を要する疾患につながりやすい因子を解析。疾病予防や健康増進に貢献する情報を提供し、新たな商品・サービスなどの開発を検討する。

 「最先端解析技術の活用研究」では、医療ビッグデータの高度な解析に向けて、AI(人工知能)など最新統計技術を研究する。

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