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» 2016年10月03日 10時00分 公開

車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2016(1):サークル活動と甘く見るな! 学生フォーミュラは企業も顔負けのモノづくり対決 (3/5)

[関伸一/関ものづくり研究所,MONOist]

名古屋工業大学 VS 横浜国立大学

 さて、いよいよエンデュランス審査のレポートです。先にスタートしたのはカーナンバー#3(前大会の総合順位を示します)、名古屋工業大学のN.I.T.-14。スチールフレームにヤマハ発動機のエンデューロレースマシン「YAMAHA WR450F」の水冷単気筒449ccエンジンを搭載しています。単気筒エンジンの軽さを生かして車重は180kgと、参加車中3番目の軽さを誇ります。カウルはグラスファイバー製で仕上げもカラーリングも実に美しい出来栄えです。速いマシンは必ず美しいのです。

名古屋工業大学のN.I.T.-14のコーナー立ち上がり 名古屋工業大学のN.I.T.-14のコーナー立ち上がり(クリックして拡大)

 N.I.T.-14がコースを半周したところで、#16 横浜国立大学のYNFP-16がスタートします。こちらはホンダ「CBR600RR」の4気筒エンジンを縦置きにレイアウトしています。

 単気筒対4気筒の争い、とはいってもタイムレースなので対決しているわけではないのですが、名古屋工業大学の第1ドライバーが1分8秒台でスタート、周回を重ねるたびにタイムを縮め、最終ラップは1分5秒550でゴール、ピットエリアに戻りエンジンを止めました。

 横浜国立大学は4気筒らしい甲高い排気音としなやかなサスペンションの動きが印象的で、一周目こそ1分9秒台でしたが、後半5周は1分5秒台を連発し、ピットエリアに入りました。

ドライバー交代、緊張のエンジン再始動

 さて、第2ドライバー(あくまで2番目に走るという意味で、テクニックの上下ではありません)のスタートです。

 名古屋工業大学のN.I.T.-14はスムーズにスタートしていきましたが、横浜国立大学のYNFP-16がエンジン始動にてこずっています。結局1周遅れでのスタートとなりましたが、3分間というドライバー交代の規定時間を超えずに済んだようです。

 YNFP-16は第1コーナーの立ち上がり(写真の撮影ポイント)から約100mほどのストレートでのエンジンの吹き上がりとシフトのつながりが見事で、排気音を聴いているだけで気持ちが良くなります。

 私自身モーターサイクルを趣味としていて、42年間で80台以上乗り継いでいて、エンジンは2ストロークもしくは、4ストロークの単気筒、2気筒が好みなのですが、きれいに回る4気筒の音はまさに官能的ですね!

 シフトはステアリングに付いたパドルによるエレクトリックシフターを採用するチームも増えていて、横浜国立大学のYNFP-16も同様です。電光石火のごとくロスのないシフトを実現しています。

横浜国立大学のYNFP-16。ドライバーはラップタイムを確認しているようです 横浜国立大学のYNFP-16。ドライバーはラップタイムを確認しているようです(クリックして拡大)

 さまざまな解説を行ってくれる場内放送によると、ストレートエンドでの速度は時速90km前後、この速度域になると大げさとも思えるエアロデバイスの効果が間違いなく出ます。前大会の最終レースでは、名古屋大学のマシンのリアウィングのステーが折損、リアタイヤへのダウンフォースが抜けてストレートエンドに続く左コーナーでスピンしたことがそれを証明しています。

 名古屋工業大学の第2ドライバーは2周目からほとんど1分3秒台でラップを刻み、20周のトータルタイムは1304秒211、パイロンタッチ1つで2秒加算され1306秒211の4位です。対する横浜国立大学は、1分7秒台近辺のラップが続き、パイロンタッチなし(素晴らしい!)の1332秒053で5位という結果になりました。

 静的審査及び他の動的審査を合わせた総合順位では横浜国立大学が2位、名古屋工業大学が3位という輝かしい成績を収めました。おめでとうございます!

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