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» 2016年11月09日 10時00分 公開

【緊急寄稿】モノづくりと安全:電球の表面温度を超えて温度が上がり続ける「見えない熱」輻射熱と火災の危険 (2/2)

[早稲田治慶/プロノハーツ,MONOist]
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放射熱を奪う=火災を防ぐ

 乾燥しきってしまった靴下が輻射熱を受け続けると、ついには発火してしまうのは、綿などの繊維が極めて熱伝導が悪く、受けた熱を伝熱で周りに広げてしまうより早く、どんどん輻射熱が同じ場所にたまって温度が上がるからです。

赤熱する電気ヒーターの前につるした靴下を燃やさない方法

(蓄熱―(放熱+α))×時間<発火点温度

 熱伝導の悪い表面にたまっていく輻射熱をものすごく奪うものがあります。

 それは「風」、それも、ほんのわずかな風です。

 電気ヒーターの前につるされた靴下が、すきま風にわずかにでも揺らされていたら、乾いた後はほんのり温かい状態が続くだけで、焦げるほど熱くなることはないでしょう。

 はんだゴテも、一向に温まらないと思ったら人間がほとんど気付かないようなエアコンの「微弱な温風」にさらされていたなどというケースがあります。なんと、人間にとっては熱いくらいの風でも、発火防止の冷却になるのです。

 「水の蒸発」も、輻射熱によって与えられた熱を非常に大きく消費します。

 ぬれた靴下は、わずかでも湿っている間は発火することはありません。紙コップに水を入れて下から火をかけても、紙コップの中の水が沸きながら、水が残っている限りは紙コップは燃えないのです。

参考文献

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発煙・発火 | 製造業 | 事故


Profile

早稲田 治慶(わせだ はるみち)

長野県岡谷市在住の3D設計者。日本で恐らく唯一の製造業VRエヴァンジェリスト。ローランド ディー.ジー.株式会社にて3D CADでの小型CNC切削加工機設計、CAM開発プログラミング、加工機の補正システム開発などの勤務経験を経て、2012年に株式会社プロノハーツに入社。ニコニコ超会議に出展した「ミクミク握手」、産業用3Dプリンタ、「いいね玉」の開発などの後、製造業VRシステムpronoDRのプロトタイプを開発。その後も製造業VRの新技術開発に従事し、CAM講習講師、鳥取県CMXプロジェクトでハイブリッド金属 3D プリンタLUMEXの運用を担った経歴も持つ。さまざまな方式の3Dスキャン技術にも通じ、吉本興業所属タレントのYouTubeチャンネル企画にも3Dスキャンで協力している



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