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» 2016年11月25日 10時00分 公開

地味にスゴイ! プリント基板の実装品質を左右するメタルマスクママさん設計者の「モノづくり放浪記」(6)(4/9 ページ)

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]

 こちらがそのシルク版です。

シルク版

 シルク版の製作は、あらかじめフレームにシルクメッシュを紗張り(四方八方にテンションをかけながらフレームに貼ること)した版を用意し、その版に乳剤を塗布して乾燥させておきます。そして以下の手順で作ります。

  1. 印刷したい文字や柄のフィルムを用意する。
  2. 乳剤を塗布して乾燥させたシルクメッシュにフィルムを重ねてUVを照射。
  3. 現像し水洗いすると、UV照射で固まらなかった乳剤が除去される。
  4. 印刷したい文字や柄のみが開口する。

 緑色の部分がUV照射によって乳剤が固まったエリアで、クリーム色の部分は乳剤が除去されて、シルクメッシュが露出しています。このメッシュのすき間からにじみ出たインクがプリント基板の上に乗ることで、印刷されるわけです。

 こちらが印刷ラインです。シルク印刷の他、マスキング印刷も行っています。

印刷ライン

 マスキング印刷とは、工程によって溶けたはんだの槽を通る(ディップ搬送)プリント基板に対し、不要なはんだの付着を防ぎ、手刺し部品用のめっきスルーホール(基板の貫通穴)を埋めて保護する目的で行われる印刷です。同社では独自技術により、φ2以上のスルーホールの穴埋めも可能です。

 これはそのマスキング印刷用に用意された版です。

 こちらが専用マスキング剤。粘度の高い、液状のゴムのような材料です。設定温度の高い鉛フリー環境で搬送を2回繰り返しても、劣化しないレベルの耐熱性があります。

専用のマスキング剤

 印刷後固まると、こんな具合になります。このマスキングは、役目を終えると簡単に剥離できます。同社ではこの剥離作業を合理的にするため、複数のマスキングを連結させて一度の手間で数カ所のマスキングを同時に剥離できる特許を取得しています。

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