新型「スイフト」の「デュアルセンサーブレーキ」、実はトリプルセンサー安全システム(2/2 ページ)

» 2016年12月28日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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スイフトらしさを議論

 先行デザインでは、複数のデザイナーが50以上の案を出して新型スイフトの外観の方向性を議論した。先行デザインとしては5案が残り、3分の1スケールおよび1分の1のクレイモデルを作成しながら量産デザインを模索。量産モデルを検討する段階でも、表現が異なる複数パターンの1分の1クレイモデルを作成した。

 ボディーカラーは、鮮やかさと深みの両立を目指した新色「バーニングレッドパールメタリック」「スピーディーブルーメタリック」の2色を加えた全9色。

456 インテリアは、ドライバーの操作性を第一としたデザインに(左、中央)。メーター中央にはカラー液晶ディスプレイを搭載(右)(クリックして拡大)

 インテリアはドライバーを中心とした構成とし、質感や先進感を高めた。メーターの中央には、画面サイズ4.2型のカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイを採用。走行情報などを表示する。

 車両寸法は、全長が先代モデルより10mm短い3840mmだが、ホイールベースは20mm延ばした。前後席ともにヒップポイントを下げ、全高は先代モデルよりも10mm低い1500mmとした。全幅は5ナンバーサイズに収まる1695mmである。

車両全体で120kgの軽量化

 プラットフォームは「バレーノ」などと同じBセグメント用を採用した。これは軽自動車「アルト」から導入を始めた軽量化と高剛性化を両立するプラットフォームで、軽自動車用、Aセグメント用、Bセグメント用に分かれているが、基本設計は共通だ。スイフトから「HEARTECT(ハーテクト)」という名称を付けた。

 このプラットフォームでは、構造や部品配置を見直して、合理的でシンプルな形状としている。骨格同士が結合する強度の高い部位を、負荷のかかる部品の固定に利用することで補強部品を削減した。これにより、ボディー剛性を向上させながら、30kgの軽量化を図っている。

109 リアトーションビームは薄肉化や穴あけによって軽量化(左)、スタビライザーは中を空洞に。プラットフォームだけでなく各部品の軽量化を積み重ねて車両重量を減らした(右)(クリックして拡大)

 この他にも、引っ張り強度980MPaの超高張力鋼板の使用量を先代モデルの約3倍に増やし、引っ張り強度780MPaの高張力鋼板も倍増した。ボディー全体の2割に高張力鋼板を採用し、車両重量の低減につなげた。エンジンやサスペンション、シートも含めて軽量化を図って、排気量1.0l以上のコンパクトカークラスとしては最軽量の840kgを達成した。

78 排気量1.0lの直噴ターボエンジン(左)と排気量1.2lのデュアルジェットエンジン(右)。エンジンも12kgの軽量化。デュアルジェットエンジンはマイルドハイブリッド搭載グレードも(クリックして拡大)

国内登録車10万台を達成

 スズキは2016年度に登録車の国内販売台数10万台を目指してきたが、2016年12月時点で10万台を超えたことを明らかにした。2016年2月に発売した小型クロスオーバーSUV「イグニス」や、2016年3月に発売したインド生産の「バレーノ」といった新型車効果が大きいという。

 スズキ 代表取締役社長の鈴木俊宏氏は「営業やサービスが一体となったことで達成できたが、安定して10万台を達成できる実力はまだない。まずはその力を付けていきたい。スイフトで2016年度を超える台数に挑戦したい」と話す。

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