最近の軽自動車は高過ぎる? 値上がりの理由お答えしますいまさら聞けないクルマのあの話(2)(2/6 ページ)

» 2016年12月26日 06時00分 公開

25年で装備がここまで増えた

 まずは簡単に比較できる装備差から見ていきましょう。ちなみに、この25年の間で法律によって装着義務化になったシステムも含みます。

  • パワーステアリング
  • パワーウィンドウ
  • 集中ドアロック
  • UVカットガラス
  • 運転席エアバッグ
  • 助手席エアバッグ
  • ABS(Antilock Brake System)
  • 前席シートベルトプリテンショナーとフォースリミッター
  • 後席3点式シートベルト
  • ブレーキアシスト
  • 衝突安全ボディー
  • EBD(電子制動力配分装置)
  • 盗難防止システム
  • キーレスエントリー
  • 電子制御式燃料噴射装置
  • ハロゲンランプ
  • ホイール大径化
  • ハイマウントストップランプ
  • CDプレーヤー
  • ヘッドライトレべリングシステム

 う〜ん、これだけでも十分に16万円分以上の装備が追加されていると考えられますが、さらに細かな部分を言及してみましょう。

環境規制、衝突安全……対応にはおカネがかかる

クラッシャブルゾーンが小さい軽自動車は、骨格の工夫で衝突安全性を確保 クラッシャブルゾーンが小さい軽自動車は、骨格の工夫で衝突安全性を確保(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

 それでは排ガス規制への対応です。内燃機関であるエンジンの基本的な構造は昔から変わっていませんが、規制により排出されるガスに含まれている有害物質を桁違いに軽減させなければならなくなっています。そこで、エンジン燃焼に関わる細やかな制御を実施するために、非常に多くのセンサーやコンピュータを搭載しています。

 もちろん物理的に燃焼後の成分を変化させる触媒も排ガス規制に合わせて年々高額な物にバージョンアップしています。この対応だけでも車両価格に10万円以上の上乗せがあっても致し方ないレベルです。

 次に衝突安全への対応です。軽自動車は衝突事故で簡単につぶれる……という時代も確かにありましたが、今はそんなことは許されない時代へと変遷しました。

 普通車に比べるとボディーが小さい軽自動車は、クラッシャブルゾーンという衝撃吸収領域がどうしても小さくなります。その分、骨格に用いられる鉄板に超高張力鋼と呼ばれる材料を多用するなどして衝突安全性は飛躍的に向上しています。

 この衝突安全性は、クルマがつぶれないことではなく、人が助かることが目的です。単純比較はできませんが、今の軽自動車の衝突安全性は昔の普通車よりも上だと思います

 また、車両前方に配置されているエンジンなどの大物部品は、正面衝突時に車内へと押し込まれます。それによって乗員の命が脅かされることになるため、今は正面衝突しても車室内のスペースを阻害させないよう、エンジンが斜め下に潜り込むようにして設計しています。

 もちろん数千万円から数億円ほどのコストがかかっている試作車を何度も衝突させ、強度確認を行う開発費用も車両価格に反映されています。

衝突試験の様子(クリックで再生) 出典:富士重工業

 他にも語りつくせないほどコストに影響するシステムはありますが、取りあえずここまでのお話を踏まえて、1991年のミラと現行のミラの16万円という価格差は「高い」と感じますでしょうか?個人的な感想としては、明らかに安いと感じます。

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