射出成形加工で凹凸などの触感を表面に残せる新型加飾フィルムFAニュース

大日本印刷は、射出成形と同時に表面に凹凸などの触感を付与できる新型の加飾フィルムを開発した。リアルな手触り感を持ち、柄の自由度の高いテクスチャーが製造可能になる。

» 2017年02月01日 13時00分 公開
[MONOist]

 大日本印刷は2017年1月18日、射出成形と同時に表面の凹凸などの触感を付与できる新型の加飾フィルムを開発したことを発表した。自動車やバス、航空機などの内装材向けに販売し、2020年度に年間50億円の売り上げを目指す。

 従来の同時加飾成形加工は、熱と圧力によって加飾フィルムを金型に押し付けるため、表面のテクスチャーが消えて触感を残すのが難しかった。今回同社では、熱圧を吸収する保護層を設けた加飾フィルムを開発。フィルム表面の保護層が熱と圧力を吸収し、成形後に表面保護層を除去することで、フィルム表面の凹凸を維持した成形品が製造可能になった。

 既存の同時加飾成形加工に対応するため、従来よりも低コストでフィルムに触感を付与できる。また、金型を使ってテクスチャーを成形する方法と比べ、柄の自由度が高いのも特徴だ。

 近年、自動車などの内装材に対して、高級感や安らぎ、手触り、独自性など、さまざまな効果が求められている。そのようなニーズに応え、このたび視覚効果に加え、表面のテクスチャーを触感で確認できる新たな加飾フィルムの開発に至った。

photo 新型加飾フィルム
photo 新型加飾フィルムの断面図
photo 同時加飾成形加工でも凹凸を保つ新型加飾フィルムの製造プロセス

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