タダでソフト開発の生産性と品質を上げる方法(2):フリーの組合せテスト自動生成ツール「PictMaster」山浦恒央の“くみこみ”な話(92)(4/4 ページ)

» 2017年02月22日 11時00分 公開
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4.3 簡単な使い方

 図7図8を使い、簡単な使い方を説明します。

図7 図7 PictMasterのGUI(クリックで拡大)
図8 図8 実行結果例(クリックで拡大)

 図7は、PictMasterのホーム画面で、図8は実行結果例です。今回は、先述の表1に示した扇風機の組み合わせ例を示しました。組み合わせ法は、オールペア法を使用しています。上記の例を簡単に説明します。

 まず、ホーム画面上の「パラメータ」に因子を入力します。本例では、「ON/OFF」「風量」「タイマー」「首振り」です。次に「値の並び」に水準を記載します。例では、「運転」「弱」「ランダム」などです。

 値を設定した後「実行」ボタンを選択すると、図8のように10通りのテスト項目が自動生成されます。扇風機の全パラメータの全組み合わせ数は、2×3×3×3=54通りでした。結果として、テスト項目が54個から10個に削減されたことになります。PictMasterを使用すると、短時間で組み合わせテスト項目が生成できます。

5.終わりに

 ソフトウェアを網羅的にテストしようとすると、テスト項目が爆発的に増加します。特に、組み合わせを考え始めると、担当者の労力は計り知れません。そんな時は、PictMasterを使用して、なるべく楽にテストしましょう。次回は、PictMasterの一歩進んだ使い方を紹介します。

参考文献

 本コラムは、以下の文献を参考にしました。より詳しい内容を知りたい方は、参考文献の[2]〜[4]をご参照ください。

[1]「ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第3版」(大西建児他、2011年、翔泳社)

[2]「ソフトウェアテストの教科書」(石原一宏他、2012年、ソフトバンククリエイティブ)

[3]「ソフトウェアテスト技法ドリル テスト設計の考え方と実際」(秋山浩一、2010年、日科技連出版社)

[4]「はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法」(リー・コープランド、2005年、日経BP社)


【 筆者紹介 】
山浦 恒央(やまうら つねお)

東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士)


1977年、日立ソフトウェアエンジニアリングに入社、2006年より、東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科助教授、2007年より、同大学大学院組込み技術研究科准教授、2016年より非常勤講師。

主な著書・訳書は、「Advances in Computers」 (Academic Press社、共著)、「ピープルウエア 第2版」「ソフトウェアテスト技法」「実践的プログラムテスト入門」「デスマーチ 第2版」「ソフトウエア開発プロフェッショナル」(以上、日経BP社、共訳)、「ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ」「初めて学ぶソフトウエアメトリクス」(以上、日経BP社、翻訳)。


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