膵胆管の内視鏡検査による被ばく量を低減する画像処理技術を開発医療機器ニュース

島津製作所は、ERCP時のX線照射量を大幅に低減する画像処理技術「SUREengine FAST」を開発した。同社のX線TVシステム「SONIALVISION G4」向けの技術で、今後販売する同製品に標準搭載する。

» 2017年03月07日 15時00分 公開
[MONOist]

 島津製作所は2017年2月22日、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)時のX線照射量を大幅に低減する画像処理技術「SUREengine FAST」を開発したと発表した。同社のX線TVシステム「SONIALVISION G4」向けの技術で、今後販売する同製品に標準搭載する。

 SUREengine FASTは、高速な演算処理によって、低線量でもノイズや残像を低減できるデジタルフィルタ処理技術だ。同技術を導入することで、内視鏡検査に必要なX線画質とリアルタイム性を維持しながら、透視被ばく量を従来比約60%低減できる。これは、SONIALVISION G4で従来の内視鏡検査時に使用されていた透視X線照射パルスレート15fpsを用いた場合のものだ。さらに、新技術導入後にパルスレートを7.5fpsにした場合、従来の15fps時に比べて透視被ばく量を約80%低減できる。

 これらの特徴により、被検者や医療従事者の被ばくの低減が可能になる。今後は、内視鏡検査以外の検査にも、画像処理技術を低被ばくに適用させることを目指すとしている。

 ERCPは、膵臓がんなどの病変を精密に検査するための膵胆管生検や、胆石の除去などの治療に用いられる手法。口から十二指腸まで内視鏡を挿入し、その先に付いたカテーテルから胆道系、膵管を直接造影する。その際、カテーテルの位置や造影状態などを確認するため、X線TVシステムの透視機能が使用されるが、その際には高画質な透視画像が必要だ。しかし、検査が長時間にわたるケースもあり、被検者や医療従事者への被ばくを低減することが求められていた。

photo X線TVシステム「SONIALVISION G4」

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