摩耗を防ぐCVDコーティングを外刃に施した穴あけ加工用ドリルFAニュース

京セラは、穴あけ加工用の刃先交換式ドリル「マジックドリル DRV」を発売した。外刃にはCVD(化学蒸着)コーティングを施し、従来の刃先よりも熱による摩耗を防いでいる。

» 2017年04月06日 07時00分 公開
[MONOist]

 京セラは2017年3月17日、穴あけ加工用の刃先(チップ)交換式ドリル「マジックドリル DRV」を発売した。価格は、ホルダが4万3600〜8万6100円、チップが800〜950円(いずれも税別)となる。

 加工速度・効率の向上を図り、外刃には熱に強く摩耗しにくいCVD(化学蒸着)コーティングを、内刃には強い力がかかっても安定的に加工できるPVD(物理蒸着)コーティングを施した。従来のチップは外刃も内刃もPVDコーティングだったが、外刃の方が被削材とより高速で接触するために早く摩耗してしまっていたという。

 ブレーカのタイプとしては、汎用型のGM、刃先強化型のGH、ステンレス加工用のSM、軟鋼/SS材加工用のXMという4種類をそろえた。4コーナーを利用できる設計になっている。

 チップの形状も工夫し、外刃はU字切れ刃、内刃はスプーン型切れ刃にした。切りくずが詰まりにくくなり、切りくず排出時の摩擦抵抗を低減した。さらに、ホルダの芯厚を他社製品よりも33%厚くして剛性を高め、従来のドリルでは対応できなかった6Dまでの深穴加工を可能にしたとうたっている。

 加工深さは2D〜6Dで、加工径は直径14〜32mm。推奨する被削材は低炭素鋼、炭素鋼、合金鋼、金型鋼、ステンレス鋼、ねずみ鋳鉄、ダクタイル鋳鉄となっている。

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photo GMブレーカ。左が外刃CVD、右が内刃PVD
photo 左がU字切れ刃の外刃、右がスプーン型切れ刃の内刃
photo ホルダの芯厚比較

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