ベッコフが防爆仕様I/Oに参入、プロセス市場開拓へハノーバーメッセ2017(1/2 ページ)

ドイツのベッコフは、ハノーバーメッセ2017において、防爆仕様のEtherCAT I/O機器を発表。プロセス系制御分野に今後カバー領域を拡大を進めていく方針を示した。

» 2017年05月01日 07時00分 公開
[三島一孝MONOist]

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 ドイツのBeckhoff Automation(以下、ベッコフ)は、ハノーバーメッセ2017(2017年4月24〜28日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、防爆仕様のI/O機器を発表。まだ参考出品だが、将来的なプロセス系制御分野へのカバー領域拡大を目指し、商品化を進めていくという。

photo ベッコフが新たに発表した防爆仕様のI/O機器。「Ex」認証を取得している(クリックで拡大)

防爆仕様でプロセス系制御領域にも拡大へ

 新たにベッコフが発表したのは、防爆仕様のEtherCAT I/O関連機器である。化学プラントや石油プラントなど、プロセス系産業は多くの装置を利用して製造プロセスを行う装置型生産であるため、膨大な多点制御を行ってきた。そのため「以前からEtherCATの高精度な多点制御能力が生きる領域だとは感じていた」とベッコフ(日本法人)代表取締役社長の川野俊充氏は述べている。

 ただ、化学プラントや石油プラントでは、多くの可燃性物質が扱われるため、爆発の危険度によってエリアが区分されており、使用機器は危険地域で使用する際には防爆規格を取得しなければならない。ベッコフのI/O関連機器は従来は防爆規格を取得しておらず、スペックとしては適合していても危険地域とされたエリアの装置などでは使用することができなかった。また、危険区域にあるフィールド機器と直接接続することができず、仲介システムを介して制御を行う必要があった。

 今回、新たに防爆認証を取得。IECEx/ATEXに対応した「CPXコントロールパネル」シリーズとEtherCAT I/Oターミナル「ELXシリーズ」を用意した。これにより、ゾーン0(可燃性物質と空気との混合物質で構成される可爆環境が連続的に長時間または頻繁に存在する区域)にあるフィールド機器と直接EtherCATターミナルが接続できるようになり、システムのシンプル化やコンパクト化が可能となる。

photo 防爆対応ターミナル「ELXシリーズ」の製品群(クリックで拡大)

 これらの機器は参考出品として発表したもので、現在は発売時期などは決まっていないが、既にこれらの仕様認証を取得している他、プロセス系で使われる通信プロトコル「HART」や「FDT」などにも対応を表明。プロセス系制御領域にも積極的に取り組む姿勢を示している。

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