MECHATROLINK協会が3000社を突破、スマート工場化の波に乗り躍進製造業IoT

IoTなど先進技術を活用したスマートファクトリー実現に向けた取り組みが加速している。そのカギを握る産業用オープンネットワークで躍進する規格の1つが「MECHATROLINK(メカトロリンク)」である。MECHATROLINKを展開するMECHATROLINK協会では、2017年5月に3000社の加盟を突破し、さらなる拡大に取り組んでいる。

» 2017年05月24日 10時00分 公開
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 インダストリー4.0やスマートファクトリーなど、工場においてIoT(モノのインターネット)やデータ分析技術を活用する動きが広がりを見せている。これらの実現に向けて、従来以上に注目を集めているのが、工場内の各機器とデータのやりとりを行えるようにする産業用フィールドネットワークだ。産業用フィールドネットワークは、製造装置などの内部で使用されるモーターやセンサー、I/Oなどの各種コンポーネントとコントローラーをつなぐ通信ネットワークだが、さまざまな規格が存在する。

モーションフィールドネットワークとしてのMECHATROLINK

 その産業用フィールドネットワークの1つの規格が「MECHATROLINK(メカトロリンク)」である。MECHATROLINKは、2003年に公開された日本発のオープンフィールドネットワークだが、フィールドネットワークの中でも特に、モーターなどの動きに代表されるモーション(動き)を制御する仕組みを得意とし、「モーションフィールドネットワーク」とも位置付けられる。高速通信と同期性の保証が強みで、半導体装置や工作機械などの高速、高精度な動きの制御で貢献している。

photo モーション制御に強みを発揮するMECHATROLINK

 例えば、MECHATROLINK−IIIは、物理層にイーサネットを使用しており、伝送速度100Mbps、伝送周期最小31.25μsecの高速化を実現している。通信制御をASICで行うことで、複雑な通信プロセスをASICが肩代わりし、ホストCPUに負担をかけないのが特徴だ。その他、通信仕様が全てWebサイトに公開されているオープンさや国際標準規格(SEMI規格、IEC規格、GB規格)で認証を取っている点なども評価を受けている。

 IoT対応も推進し、通信帯域内に制御で使うサイクリック通信で使用する帯域に加え、メッセージ通信帯域を用意している。上位ネットワーク系で必要な処理データの伝送を自由に行えるようにしている。さらに「メッセージ通信 中継コマンド」などの機能も用意。フィールドネットワークより上位のネットワークとの通信を可能としている。

MECHATROLINK協会加盟企業は3000社を突破

 こうしたMECHATROLINKの持つ特徴は、スマートファクトリーへの取り組みが広がるとともに評価を高めており、MECHATROLINKの普及促進を担うMECHATROLINK協会への加盟企業は増加している。このほど3000社を突破したという。特にアジアを中心に多くの企業が加盟しており全体の約9割をアジア企業が占める。さらに、中国だけで1500社の加盟があり、モノづくりで急進するアジアの現場を支えているといえる。ちなみに加盟3000社目となったのは、日本の通信サービスベンチャーのソラコムだったという。

 MECHATROLINK協会(MMA)では、普及促進に向けて、国内外でのセミナーやイベントなどを開催。2017年3月にはシンガポールやマレーシアでセミナーや展示イベントを開催した他、韓国での展示会などにも出展した。また国内では2016年度は大阪、広島、金沢でプライベートショー「オートメーションコンポーネンツフェア(ACF)」を開催し製品展示やセミナーを行った。

 さらに2017年6月2日には、MMA会員を対象に「MECHATROLINK協会 2017年度総会」を東京都の秋葉原UDXカンファレンスで開催する予定だ。「MECHATROLINK協会 総会」は毎年6月に東京で開催しており、協会の活動や新製品発表、メンバー間交流を図る一方、毎回業界をリードする主要企業における講演を実施している。

photo 2016年度のMECHATROLINKk協会総会の様子

IoTに関する先進技術で高度なモノづくりを

 今回の基調講演には、ドイツBalluffの日本法人であるバルーフ 代表取締役 吉田憲司氏と、加盟3000社目となったソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏が登壇する。

 バルーフ吉田氏は「IO-Linkが提供する新しいパラダイムシフト」をテーマとし、広がる「IO-Link」の用途と価値について紹介する。IO-Linkは、制御信号だけでなく、診断データなどをセンサーやアクチュエータから取得可能とするI/O接続技術である。IoTによるスマート工場を体現するような規格として注目を集めている。

 一方、ソラコム玉川氏は「IoTビジネス活用最前線」をテーマとし、製造業のIoT活用事例を軸にIoT本格化に向けた課題などについて解説。山積する課題解決に向けて、同社が展開するIoT向け通信プラットフォーム「SORACOM」を含む、各種ソリューションを紹介する。

 基調講演の狙いについてMECHATROLINK協会では「インダストリー4.0を発端した新しいモノづくりへの動きが加速し、MECHATROLINK協会としてもMECHATROLINKのネットワーク技術とIoTを融合による、高度なモノづくりを提案している。その中でIoTに関する先進的な技術を展開する2社に登壇してもらうことで、活用への認識を深め、高度なモノづくりを加速させる力になると考える」としている。

 さらにMECHATROLINK協会では、総会の意義について「MECHATROLINK協会はオープンな団体であることから、総会ではさまざまなベンダー企業やユーザー企業が参加する。競合関係を越えて交流することで新たなビジネスチャンスなども生まれる可能性もある」としている。

MECHATROLINK協会 2017年度総会

会期: 2017年6月2日(金)13時〜18時50分(懇親会あり、12時開場)
会場: 東京・秋葉原UDX カンファレンス 6F(東京都千代田区外神田4-14-1)
参加条件: MMA登録会員企業(※ 参加には法人でのMECHATROLINK協会への入会および、事前申し込みが必要。無料会員あり。総会の参加申込みは2017年5月29日まで)
申し込みページ: 申し込みページはこちら

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提供:MECHATROLINK協会
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月25日

提供

MECHATROLINK協会 2017年度総会

MECHATROLINK協会では、2017年6月2日(13時〜18時50分)に東京・秋葉原で2017年度の総会/講演会および懇親会を開催します。参加費用無料(※ 参加には法人でのMECHATROLINK協会への入会および事前申し込みが必要になります)。アイコンをクリックで申し込みページへ。

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