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» 2017年05月22日 09時00分 公開

“本当に進む”問題解決〜現場のコンサル力で事業を変える(1):「現場のコンサルティング力」で問題解決 (2/2)

[馬場秀樹(株式会社VSN),MONOist]
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 問題解決手法の流れを簡単に説明すると、以下の図のようになります。

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 今回はその図のステップ(1)にあたる情報収集についてお話ししたいと思います。問題解決である以上、当然まずは問題を見つけるための情報収集が必要です。情報と言ってもさまざまなものがありますが、ここで欲しい情報は3種類あります。

 1つ目はその現場が置かれている市場の状況と自社の業績推移です。「現場の問題解決をするのになぜそんな情報が必要なんだ?」と言われそうですが、現場が企業の一部である以上、企業の業績や市場の変化の影響を受けていることは十分考えられます。集めた情報に対し「その情報ではどういうことが言えるのか?」を「市場は成長市場である」「大型受注で○年に大きく生産数が増えた」など、ごく短い文章で列挙しておきましょう。

 2つ目は部門の評価指標(売り上げ、生産数、コスト削減額など)の推移です。これも市場・企業と同じくごく短い文章で列挙しておきましょう。

 そして3つ目が現場で感じている問題の収集です。先ほど、「重要なことは本質的問題の解決だ」と述べましたが、その「本質的問題」を見つけるためにも日ごろ感じている表面的な問題は集めておく必要があります。「現場で感じている問題」とは、皆さんが普通に問題だと感じているもので構いません。「○○のルールが守られていない」「○○でインシデントが頻繁に起きている」など、日常で問題だと感じていることを集めればよいのです。ここでのコツは、問題解決を行おうとしている部門だけで問題の収集を行うのではなく、関連する部門からも集めておくことです。なぜなら、特定の部門の情報だけでは考えが偏ってしまいフェアな情報と言えないからです。そして、集めた情報群はその後の分析のために「品質の良い情報群」に加工する必要があります。そのためには、「なぜその問題が起きているのか?」を問いかけ、「現場で感じている問題」の原因を深掘りします。

 例えば、

「A課の手戻りが多い」→「なぜ?」→「出来上がる製品の品質にバラつきがある」→「なぜ?」→「製造担当者の経験が低い」

といった感じです。これを現場で感じている問題それぞれに行うことで、「品質の良い情報群」が出来上がり、1つ目と2つ目の情報も含め、「分析のための基礎パーツ」がそろったことになります。次回はこの基礎パーツの使用方法についてお話ししたいと思います。

筆者プロフィル

株式会社VSN 馬場 秀樹

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2000年にVSNに入社。インフラエンジニアとしていくつものプロジェクトに参画。VSNの“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」の構想メンバーであり、一流コンサルタントより問題解決手法の教示を受け、多くの問題解決事案に携わる。派遣会社でありながら、担当した事案には、数億円規模の売り上げ向上につながった例も。

現在は、同社「経営イノベーション本部」にて今後の事業の根幹を担うVIをさらに加速させるべく、事業計画の立案や浸透・推進を行う。

株式会社VSN http://www.vsn.co.jp/


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