トルクを低減し耐摩耗性を高めたホイール用テーパードローラーハブユニット機械要素

ジェイテクトは、低トルク化・耐摩耗性向上技術を適用したホイール用テーパードローラーハブユニットを開発した。従来比で40%もの低トルク化を実現し、寒冷地における車両輸送時の耐摩耗性能を高めている。

» 2017年06月08日 14時00分 公開
[MONOist]

 ジェイテクトは2017年5月23日、低トルク化・耐摩耗性向上技術を適用したホイール用テーパードローラーハブユニット(T-HUB)を開発したと発表した。量産開始は2019年5月の予定で、2021年には70億円の売り上げを目指す。

 T-HUBは、ピックアップトラックやフルサイズSUVなどの大型車種向けのハブユニット。ハブユニットは、タイヤを円滑に回転させる軸受とタイヤにかき上げられた泥水を軸受内部に浸入させないシールとで構成される。

 同製品では、ボールハブユニットで開発した低トルク化・耐摩耗性向上技術を適用し、基油/増ちょう剤/添加剤を最適化したグリスを開発。シール部には、低トルクタイプのダブルアキシアルシールに加え、リップに必要な油膜特性と低粘度基油を用いたシール専用グリスを採用した。これにより、従来の低トルクT-HUBに比べて40%トルクを低減した他、4輪全てに用いることで燃費が0.5%向上する。

 また、ロシアや北欧などの極寒環境では、列車で完成車を輸送する際、レールの継ぎ目からの振動によってハブユニットの軌道面が摩耗することがある。同製品は、軸受部グリスに低温環境に適した添加剤を配合。基油の低温性を向上させることで耐摩耗性能を高め、摩耗量を従来比40%低減した。

 同社は、同製品を「LFT」シリーズのラインアップに加え、日系や欧米の自動車メーカーを中心に拡販を図るとしている。

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