UI開発フレームワークの最新版を発表組み込み開発ニュース

フィンランドのThe Qt Companyは、クロスプラットフォームのUI開発フレームワーク「Qt(キュート)」の最新版「Qt 5.9」を発表した。医療や車載など、各種分野向けのソフトウェア/デバイスの効率的な開発を支援する。

» 2017年06月22日 08時00分 公開
[MONOist]

 フィンランドのThe Qt Companyは2017年5月31日(現地時間)、クロスプラットフォームのUI開発フレームワーク「Qt(キュート)」の最新版「Qt 5.9」を発表した。C++11標準規格の機能を活用した、長期サポート(LTS)版となる。

 今回の最新版は、医療/車載/航空/産業/家電/エンターテインメント分野向けのソフトウェアやデバイスを効率的に開発できるように設計されている。長期サポートにより継続的なサポートが提供されるため、安定した開発が可能になった。パッチレベルのリリースも行われ、ユーザーが以前に開発したアプリケーションも安定して動作する。

 3Dモデルの描画などが行える「Qt3D」のアニメーションに対応し、「Qt Quick」とも容易に連携できる。Wavefront OBJ/PLY/FBXなど、複数の3Dジオメトリフォーマットのプラグインも追加した。「Qt3DExtras」では、物理ベースレンダリング(PBR)マテリアルのサポートも可能となった。

 また、「Qt Quick Controls 2」をリニューアルしたほか、QML型キャッシュの事前生成への新規対応、.qml/.jsファイルからディスクに生成されるコードやデータ構造のキャッシュ機能の搭載により、パフォーマンスが向上。Qtで構築したデバイスの起動時間も大幅に短縮した。

 Windows 10の全バリエーションに加え、リアルタイムOS「INTEGRITY」にも対応。RTOSアプリケーションの開発において、最新GUIフレームワークの活用が可能になった。今後将来的には、VulkanやDirect3DなどのOpenGL以外の描画APIにも対応するとしている。

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