特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年06月30日 11時00分 公開

IoT観測所(34):遅れてきた本命、グーグルのIoTはアマゾンとマイクロソフトに太刀打ちできるか (2/3)

[大原雄介,MONOist]

「Google Assistant」でアマゾンとマイクロソフトを捉える

 このあたりで大分グーグルはAWS IoTあるいはAzure IoTに近くなってきた訳だが、それでもまだAWS IoTとAmazon Alexaという組み合わせには一歩及ばないところがあった。

 そこを埋めてきたのが音声認識アシスタント「Google Assistant」である。2017年のGoogle I/Oの基調講演では、22分30秒あたりからGoogle Assistantの大幅な強化について語られている。

図1 図1 「Google Assistant」の多言語対応。英語以外に日本語を含む4カ国語に対応し、2017年内にはさらに3カ国語が追加される 出典:「Google I/O 2017」基調講演映像

 強化の項目は数多くあるが、例えば日本語対応(図1)に関しては、ITmedia NEWSの佐藤由紀子氏の記事など参考になろうかと思う。今回グーグルは“AI(人工知能)ファースト”というメッセージを強く打ち出し、実際にさまざまなサービスをAIを使ってより強化している。このあたりは同じく佐藤由紀子氏のこちらの記事に詳しいが、Google Homeでより深い意味解釈や、より柔軟なサジェスチョンが可能になったのみならず、さまざまな画面(「ChromeCast」やテレビ、スマートフォン、タブレット端末、etc……)と連携して動作するようになった。

 以前のGoogle Homeも、例えばテレビ連携は不可能ではなかったが、新しいGoogle Homeではこれを自然に実現する(図2)。少なくともこの一点に関しては、Amazon Alexaに先んじたことになる。実際、2017年の夏にはGoogle Homeが国内でも発売されるわけで、日本語を使っての自由な家電の操作、が現実のものになる可能性が高い。

図2 図2 単に「サンタクルーズの天気は?」と尋ねるだけで、手近な画面に天気情報を表示するようになる。以前のように、あらかじめ「ビデオが見たい」と言う必要は無い(クリックで拡大)

 もっとも、Google AssistantとWeaveもまた「別のもの」である。例えば、Rachioの「Smart Sprinkler Controller Generation 2」は、Wi-Fi経由でスマートフォンと接続し、最大16ゾーンに対して個別にスプリンクラーの制御を行えるというものだ(日本と違い、アメリカではスプリンクラーが割とポピュラーである)。

 これ、アマゾンの商品名を見ていただくと分かる通り“Works with Amazon Alexa”ということで、Amazon Alexaからの音声入力も可能だが、ファームウェアのアップデートによりGoogle Assistantの対応も行われている。ところがこれはWeaveを使わずに実装しているのだ。

 実の所、アプリケーションをGoogle Assistantに対応させるためには“Actions on Google”を利用して、自社のアプリケーションがどんな機能を持ち、どんな形でリクエストを受けるとどんなレスポンスを返すか、を登録する必要がある。これはちょうどAmazon Alexaの「Alexa Skill Set」と同じものである。逆に言えば、これを登録しないと今のところGoogle Assistantではサポートされないので、いくらGoogle Homeに命令を叫んでも「知らない」といわれて終わりである。

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