VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集

ARで保守を効率化、プログラマブル表示器でスマートデバイスと連携製造業IoT(2/2 ページ)

» 2017年07月05日 09時00分 公開
[三島一孝MONOist]
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ポイントとなる異種環境差の吸収

 システム構成は、プログラマブル表示器とサーバ機能を一体化した「Pro-face HMIサーバ」をシステム構成の中心に位置付け、同サーバにAR機能を備えたソフトウェアを実装する形を取る。ARを表示するタブレットは汎用品で対応可能とする。現状ではiOSへの対応のみだが順次Android、Windowsなどにも対応予定。基本的にはアプリをダウンロードするだけで使用可能とする。

photo シュナイダーARアドバイザーのシステム構成イメージ(クリックで拡大)出典:シュナイダーエレクトリック

 このシステムのポイントとなっているのが、デジタルが抱えているプログラマブル表示器の技術である。工場やプラントなどの製造現場の環境では、さまざまなメーカーの機器やシステムが稼働し、それぞれが連携の取れない“異種システム環境”となっている。スマートファクトリー実現の最大の課題となっているのが、この多種多様な異なる環境からどのようにデータを吸い出しシステム同士の連携を実現するかという点となっている。

 しかし、デジタルでは今までにプラグラマブル表示器を200万台以上導入。プログラマブル表示器はさまざまな機器の稼働状況などをリアルタイムで表示する必要があるため、既に工場内で使われる800のプロトコルに対応している。そのため、さまざまなシステムと既に連携を実現しているのだ。多種多様なユーザー企業の環境差を吸収し、「Pro-face HMIサーバ」を通じて工場内の機器と連携可能である他、さまざまなシステム内のドキュメントやデータを、タブレットで表示することが可能となる。

 シュナイダーエレクトリックではシュナイダーARアドバイザーは「Pro-face HMIサーバ」とエンジニアリングサービスを組み合わせて約200万円から提供。「対象は全産業領域。保全作業の効率化と人為的ミス削減に貢献し、初年度は20社への導入を狙う」(勝村氏)としている。

photo シュナイダーARアドバイザーの使用イメージ(クリックで拡大)
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