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» 2017年08月21日 06時00分 公開

新旧「ミライース」乗り比べ、走って見えてきたダイハツの取捨選択と企業努力乗って解説(2/3 ページ)

[高根英幸,MONOist]

どこにおカネをかけるか、取捨選択

先代から受け継いだパワーユニット。そのためエンジンルームの眺めはほぼそのまま変わらないように見える。ラジエーターコアサポートは今回から樹脂製になっている(クリックして拡大)

 エンジンやCVTといったパワートレインは先代から踏襲されている。といっても、まるっきりそのままではなく、従来はエンジンとCVTでそれぞれにECUを装備していたものを1つにまとめるとともに、制御自体も見直している。従ってエンジンルームの眺めは大きくは変わっていない。

 エンジンやCVTだけでなくエアクリーナーや補機類なども使い回しとなればそれらの金型もそのまま使える。これだけでかなりのコストダウンになったハズだ。しかもエンジンとCVTの各ECUを処理能力を高めたECUに統合することはコストダウンや軽量化につながるのだ。

 その分、装備類にお金をかけても価格上昇を抑えることができる。今回はモノコックボディーを軽量化するために高張力鋼板を多く使ったようだが、そうしたコストアップを相殺するのは、パワーユニットを大幅刷新せずに使い続けることによる金型代や開発費の圧縮などであった。

 軽自動車用のガソリンエンジンとして一足飛びに革新的な進化を遂げることは不可能だから、現時点でパワーユニットを継承し、その他の部分で実燃費を向上させることに開発コストを集中させているのである。しかし、走らせてみるとそうした情報とはチグハグな感触を伝えてくる部分もあった。

走りを高めたという割には……

 ダイハツ工業側の説明によれば、カタログ燃費は追いかけず発進加速のもたつきや実燃費の改善を図ったという。しかし、実燃費を向上させるためのチューニングがちょっと行き過ぎているという印象だ。出足を良くして実燃費を向上させるという難題に挑戦した影響か、初期の加速以外はややもっさりとした反応となってしまっている。

 具体的には、スロットルを4分の1程度踏み込んだ発進加速で、時速30kmあたりまではスムーズに加速していってくれるのだが、そこからCVTの減速比がどんどん高まり、時速40kmに達するまでにはかなりの時間を要する。さらにもう少し速度を上げたくてスロットルを踏み込んでも、燃費重視のCVT制御は少々の踏み足しにはあまり反応してくれず、かなり大きくスロットルペダルを踏み込む必要がある。

 最初にもっと踏み込んでいれば、時速40km以上の速度域までスムーズに加速するのかもしれない。しかし、誤操作を防止するシステムを採用しているほどの安全思想のクルマに乗っているからとむやみにアクセルを大きく踏むのは危険なことにつながる恐れもある。ここはもう少し加速要求に対するCVTの反応を良くするべきではないだろうか。

 セレクターレバーをS(スポーツ?)レンジにすると、このCVTの反応の鈍さは解消され、軽量なクルマらしいキビキビとしたフットワークを見せてくれる。この状態では燃費は低下するのだろうが、こちら寄りの仕様をノーマルモードにして、現在のDレンジはエコモードに(それでももう少しCVTの反応を良くしてほしいが)すれば、燃費重視のユーザーが使い分けるにも抵抗が少ないのではないかと思う。

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