ディープラーニング機能を強化したモデルベース開発環境の最新版組み込み開発ニュース

マスワークスは、MATLAB/Simulinkの最新バージョンである「Release 2017b(R2017b)」を発表した。ディープラーニングの新機能が追加され、簡単にモデルの設計、学習、配布ができるようになった。

» 2017年10月17日 08時00分 公開
[MONOist]

 マスワークス(MathWorks)は2017年9月21日、モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」製品ファミリーの最新版として、「Release 2017b(R2017b)」を発表した。MATLAB/Simulinkの新機能に加え、6つの新製品とアップデート/バグフィックス済みの86製品が含まれている。

 R2017bでは、ディープラーニングの新機能が追加され、モデルの設計・学習・配布が容易になった。具体的には、Neural Network Toolboxに有向非循環グラフ(DAG)、長期短期記憶(LSTM)ネットワークなどの複雑なアーキテクチャのサポートを追加。GoogLeNetなど、一般的な事前学習済みモデルへアクセス可能になった。

 また、Computer Vision System Toolboxのアプリケーションにより、対話型で簡単にイメージシーケンス内にあるグラウンドトゥルースデータの画像にラベルを付けることができる。オブジェクト検出のワークフローや、ディープラーニングを用いて画像内のピクセル領域を分類し、結果を評価/可視化するセマンティックセグメンテーションもサポートした。

 新製品のGPU Coderは、ディープラーニングモデルを自動でNVIDIA GPU用CUDAコードに変換する。同社内の比較分析では、ディープラーニングインタフェース用に生成されるコードの性能は、配布モデルでTensorFlowの7倍、Caffe2の4.5倍だった。

 事前学習済みモデルには、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデル(AlexNet、VGG-16、VGG-19)、Caffeよりインポートしたモデル(Caffe Model Zooなど)が含まれる。2017aで導入された機能と合わせて、転移学習に使用可能だ。

 ディープラーニング以外では、MATLABによるデータ解析機能を更新。Simulinkでは、スケジューリング効果のモデル化やソフトウェア環境のための組み込み可能なコンポーネントの実装に加え、検証/妥当性確認機能をアップデートした。

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