SCF2017 特集

スマート工場の“動き”をシンプルに、センサーとモーションを一体制御SCF2017

MECHATROLINK協会は「SCF2017/計測展2017 TOKYO」に出展し、新規格である「MECHATROLINK-4」と「Σ-LINK II」を紹介した。

» 2017年12月13日 08時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 モーション制御系の産業用オープンネット規格である「MECHATROLINK(メカトロリンク)」を推進するMECHATROLINK協会は、「SCF2017/計測展2017 TOKYO」(2017年11月29日〜12月1日、東京ビッグサイト)に出展し、同協会の新規格である「MECHATROLINK-4」と「Σ-LINK II」について紹介した。

photo SCF2017のMECHATROLINK協会ブースの「MECHATROLINK-4」のデモ(クリックで拡大)

「MECHATROLINK-4」と「Σ-LINK II」

 特に来場者の注目を集めたのが「Σ-LINK II」だ。「Σ-LINK II」は、サーボアンプとサーボモーター間のエンコーダー用通信を発展させ、センサーなどのI/O機器を接続可能としたもの。センサーなどの情報を直接サーボアンプに取り込むことでセンサーデータとモーションデータの一元管理が可能となり、MECHATROLINKとの連携によりセンサーデータとモーションデータを同期させることができる。「Σ-LINK」そのものは安川電機の技術だが、「Σ-LINK II」からMECHATROLINK協会に移管され、オープンに展開を進めていく方針を示している。

 一方、「MECHATROLINK-4」は従来の「モーションに強いフィールドネットワーク」という立ち位置に加え、「接続ノード数の拡大」と「複数伝送周期への対応」「マルチマスターの採用」という3つの機能を強化した。この中で特に来場者の関心を集めたのが「マルチマスター」機能である。「マルチマスター」機能は同一ネットワーク上に複数のマスターが存在可能として機能で、マスターが複数の制御ドメインを管理することが可能となる。スレーブが複数の制御ドメインに所属することが可能となり分散型のシステム構築が容易になる。これにより、製造装置のモジュール化やオプション対応などが簡単に行えるようになるという利点を生み出すことができる。

 MECHATROLINK協会 事務局代表の三輪卓也氏は「『Σ-LINK II』は非常に反応がよかった。他にあまりない技術であるので多くの問い合わせがあった。また『MECHATROLINK-4』ではマルチマスター機能が好評だった。どちらの技術にも共通するが、スマートファクトリー化が進む中でラインや製造装置内での通信や配線のシンプル化は今後大きな課題となってくる。ラインや機器のシンプル化を実現する技術は今後重要になる」とこれらの技術の価値について述べている。

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