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» 2018年01月23日 09時00分 公開

あなたのマネジメント力で組織課題を解決(2):正しい戦略を描けるマネージャーは部下のスキルを嘆かない (2/2)

[桑山和彦(株式会社VSN VIエキスパート ),MONOist]
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全ては「問題を正しく捉える」ことから始まる

 そのためにも問題を正しく捉えるということが非常に重要です。

 例えば、信号機のない交差点で交通事故が多発する、という事象があったとします。ここで解決策として単に信号機を設置するのは、正しいマネジメントとは言えません。

 例えば、狭すぎる道幅が事故を誘発しているとしたら、いくら信号機があったって、一時停止を呼びかけたって、事故を防ぐための解決策にはなりません。そもそも解決すべき問題が異なるからです。問題解決の基本は問題を正しく特定すること。そうでないとずっと問題は解決されない。それができない、もしくはそれを怠ってしまうと、ブレイクダウンされた目標をそのままKGIやKPIに設置し、メンバーを苦しめてしまうのです。

 もうひとつ、ボウリングで例えてみましょう。

 あなたのメンバーが、ボウリングでスコア100を目指していたとします。そのためあなたは、「ストライク1回、スペア2回出そう」と目標を設定する。これはただの「スコア100」を分解したものでしかなく、なんの戦略にもなっていない。マネージャーの仕事じゃないんです。

 では、よくメンバーを見ていると、なかなか1番ピンにボールが当たっていないことに気付きます。聞いてみると、毎回ただボールを投げるのみで、狙いを定めていないことが分かりました。だからいつも投球先がブレて、行くべき方向に進んでおらずガーターになってしまっている。右利きの彼は、スポットの右から2番目を通るラインに投球することで、1番ピンにボールが当たりやすくなりそうだと仮説を立てたあなたは、「右から2番目のスポットを通る率を80%にする」という目標を設定しました。そう、これが正しく捉えられた問題に対する“具体的なアクション”です。

 このように、チームや課独自の問題をしっかりと把握し、それらを解消するための具体的なアクションを策定してメンバーを導くことこそが、マネージャーに課せられたミッションなのです。

 そして、それらのアクションがしっかり解決に向けて機能しているかのチェックも必要。次回は、目標達成に向けて「PDCA」を回すときに、マネージャーが陥りそうな罠(わな)についてお話します。ただ目標を割り算して、目標を達成できなかったときには「何で届かないんだ?」とメンバーを問いただしてしまう方にはぜひ読んでいただきたいと思います。

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筆者プロフィル

株式会社VSN VIエキスパート 桑山 和彦(くわやま かずひこ)

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通信機器、情報機器メーカーより株式会社VSNに転職。VSNに入社後はエレクトロニクスエンジニアとして半導体のデジタル回路設計やカメラ用SDK開発業務に携わる。

2013年より“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」を推進するメンバー「バリューチェーン・イノベーター・プロフェッショナル」に抜擢。ビジネス・ブレークスルー大学・大学院の教授である斎藤顕一氏より問題解決手法の教示を受け、いくつもの問題解決事案に携わる。

現在はVIエキスパートとして、よりハイレベルなコンサルティングサービスを提供する他、社員の育成プログラムの構築〜実施を行う。

株式会社VSN http://www.vsn.co.jp/

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