部下が動く組織にするためにマネージャーができることあなたのマネジメント力で組織課題を解決(4)(1/2 ページ)

コンサルタントとして仕事の進め方や組織の改革提案を行ってきた筆者が語る“マネジメント力による課題解決”。今回は“部下が主体的に動く組織”をつくるためにマネージャーが意識すべきことをお伝えします。

» 2018年03月22日 09時00分 公開

 チームのパフォーマンスを出すために有効な「PDCA」の正しい考え方は前回お伝えしましたが、そもそもメンバーが「Do」しないことには始まりません。自分たちの仕事の価値を理解し、モチベーション高くミッションに挑みたいが、メンバーにはなんだか“やらされている感”が漂う。「自分がやった方が早い」とマネージャーが仕事を進めてしまう。メンバーは指示したことしかしない――。そんな悩みを抱えるマネージャーも、少なくないでしょう。

 一人一人が自走し、チーム全体で成長し続けることのできる組織をつくるためには、マネージャーの“覚悟”が必要なのです。

「業務の遂行」ではなく、「目標の達成」を求める

 では、マネージャーの“覚悟”とは何でしょう。それは、部下に「やり方を任せること」です。組織としての目的や目標を明確化し、共有したら、部下を信頼し、彼らに任せる。それができるかどうかがで、チームの力は変わってきます。

 腹をくくって部下に任せると、部下は本気になります。

 ときに、使うツールやプロセスが異なることもあるかもしれません。けれど達成する方法は人それぞれ。任されて初めて、「こうしてみよう」「ああしてみよう」という工夫が生まれます。逆に手法を固め、細かな指示をしてしまうと、甘えと言い訳がでてきたりするもの。部下に期待するのは、型通りの業務の遂行ではなく、目標の達成であるべき。自分の成功体験を部下に伝えてあげたい――。その気持ちもよく分かります。ただ、ぐっとこらえて、部下を見守ってあげてください。

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 自身で考えて行動し、そこで失敗することで、応用の利く人材が育ちます。「プールサイドで走っちゃ駄目」とずっとついて回っていたら、子どもがケガをすることはないかもしれません。しかし、転んでケガをして初めて、「プールサイドだけじゃなくて、濡れた地面は転びやすいんだ」と学ぶのです。もちろん、極端に目的と異なる方向に進みそうであれば適切なフォロー、そして助けを求められたらサポートを行うことも大切です。

 そして任せる上で最も重要な覚悟は、部下が失敗しても、彼らのせいにしない、ということ。彼らがそこから学ぶべきことを明確にし、またあらためて仮説を立て、チャレンジすればいいのです。

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