「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

MaaS開発を強化するデンソー、ソフトウェア開発会社に1億6000万円出資モビリティサービス

デンソーは、愛知県名古屋市のソフトウェア開発会社オンザロードに1億6000万円を出資した。

» 2018年04月19日 07時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 デンソーは2018年4月18日、愛知県名古屋市のソフトウェア開発会社オンザロードに1億6000万円を出資したと発表した。オンザロードは通信やクラウドを使った大規模なシステム開発の実績がある。次世代のモビリティサービスに必要な基幹技術の開発力を持つ。こうした技術や開発リソースを活用し、MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)の開発体制を強化していく。

デンソーが開発するMaaSプラットフォームのイメージ(クリックして拡大) 出典:デンソー

 デンソーはMaaSを技術開発の注力分野としている。さまざまな車両情報を一元管理して共有するためのクラウド技術や、AI(人工知能)など情報解析技術、車載エッジコンピュータなど技術開発を加速している。

 2018年1月に開催された「CES 2018」でデンソーはMaaSプラットフォームを発表。自動車メーカーや移動サービスを手掛ける企業に提案していき、2025〜2030年ごろの実用化を目指している。

 MaaSプラットフォームには、車外との通信や、車両側でのデータ解析を担う車載機「モビリティIoTコア」が含まれる。モビリティIoTコアを通じて収集したデータでサイバー空間に実世界を再現した「デジタルツイン」を構築する。デジタルツインの中で、モビリティの需給の組み合わせなどサービス事業者に必要なビッグデータの解析を行う。

 デンソーは新たなモビリティ社会の実現に貢献するため、国内外のIT企業の“仲間づくり”を強化している。アジャイル開発やサイバーセキュリティなどで強みを持つさまざまなスタートアップ企業に出資した。また、情報通信技術(ICT)の活用を強化する一環で、Microsoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)でソフトウェア製品の開発に携わった及川卓也氏と技術顧問契約を締結した。

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