サイクルタイム短縮を支援するCNC、加工プログラムを解析しプロセス最適化FAニュース

ファナックは、サイクルタイム短縮を支援するCNC、サーボ制御技術の機能群「ファストサイクルタイムテクノロジー」を発表した。加工プログラムをCNCが解析し、動作するまでのプロセスを最適化する。

» 2018年05月16日 07時00分 公開
[MONOist]

 ファナックは2018年4月16日、サイクルタイム短縮を支援するCNC、サーボ制御技術の機能群「ファストサイクルタイムテクノロジー」を発表した。「設定・調整支援」「滑らかな加減速・位置決め高速化」「指令経路の最適化」「主軸能力最大活用」「シーケンス処理時間短縮」「新しい加工技術への対応」の6つの機能群により、加工現場の生産性向上に貢献する。

 ファストサイクルタイムテクノロジーは、加工プログラムをCNCが解析し、機械が動作するまでのプロセスを最適化する。具体的には、プログラムの解析・補間、加減速処理、サーボ・スピンドル処理、シーケンス処理を最適化し、サイクルタイム短縮につなげる。

 設定・調整支援機能では、推奨値と従来のパラメータをCNCが比較し、サイクルタイム短縮効果の大きい設定を自動で選択する。機械の軸動作とNCの内部処理状況を同期させ波形表示し、機械動作の見える化を行う「サーボビューワ」も提供する。

 滑らかな加減速・位置決め高速化機能は、最適な加減速制御をCNCが自動調整し、サイクルタイム短縮とサーボ制御の安定性を図る。最新のフィードフォワード技術とベル型加減速を最適に組み合わせ、滑らかで俊敏な加減速を実現する。

 指令経路の最適化機能では、旋削用固定サイクルの荒削りサイクル(G71、G72指令)について、加工経路や加工ブロック間の処理時間を大幅に高速化した。順次、他の固定サイクルについても高速化を実施する予定だ。

 主軸能力最大活用機能では、主軸モータ最大出力で加減速する最速リジッドタップ「スマートリジッドタップ」を採用。タッピング加工の送りと引き抜きを独立して制御することでサイクルタイム短縮を図る。

 また、シーケンス処理時間短縮機能は、CNCと工作機械との情報のやりとりを高速化した。新しい加工技術への対応機能では、特殊なパンチタップ工具を使用したタッピングサイクルに対応。従来の標準工具を用いたタッピングに比べ、大幅にサイクルタイムを短縮する。

photo 「ファストサイクルタイムテクノロジー」の制御技術 出典:ファナック
photo 「ファストサイクルタイムテクノロジー」の概要 出典:ファナック

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