第29回 設計・製造ソリューション展

「月5万円の工場IoT」を訴えるコアコンセプト・テクノロジーDMS2018

コアコンセプト・テクノロジーは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展し、同社が展開する製造業向けデータマネジメントプラットフォーム「Orizuru」を紹介。最小で月5万円から始められる手軽さをアピールした。

» 2018年06月28日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 コアコンセプト・テクノロジーは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展し、同社が展開する製造業向けデータマネジメントプラットフォーム「Orizuru」を紹介。最小で月5万円から始められる手軽さをアピールした。

photo コアコンセプト・テクノロジーが訴えた「月5万円の工場IoT」(クリックで拡大)

中小製造業でも利用できる工場IoTを訴求

 コアコンセプト・テクノロジーが展開する「Orizuru」は、もともと製造業向けのシステム開発などで培った経験を生かし「ワンストップで製造業に関するデータを管理できないか」という発想で生まれたデータマネジメントプラットフォームである。DMS2018会場では、その「Orizuru」の内、工場IoTに関する「Orizuru IoT」ソリューションをアピールした。

 「Orizuru IoT」ソリューションは、異種環境間を吸収してデータを収集できる「Orizuru Gateway」により、PLCやCNC、ロボットやセンサーからのデータを収集して蓄積。そのデータを「Orizuru Dashboard」により可視化し、改善活動などにつなげるというものだ。クラウド型とエッジ型が選べる他、標準的なテンプレートが用意されているために「工場見える化」までは、低価格で短期間に開始できる点が特徴となっている。

photo 「Orizuru Dashboard」による画面イメージ(クリックで拡大)出典:コアコンセプト・テクノロジー

 さらに同社が強いのがCNCからNC情報などを直接取得できるという点だ。コアコンセプト・テクノロジーのIoT/AIソリューション事業部シニアエンジニアの込山将大氏は「製造業向けのシステム開発を以前から行ってきたことからCNCの持つ情報に目を付け取得できるようにしているところが、他のIoTプラットフォームなどとの違いだ。さらにプラットフォームやテンプレートを確立しているために低価格で開始できる。1台当たり5万円から稼働状況に見える化が実現できる」と述べている。

 実際にCNC情報は主要企業のものは、ほぼ取得できるとしており、工作機械や産業機械の稼働監視などには強みを発揮するという。

photo 少し分かりにくいが「Orizuru IoT」ソリューションのデモ。左側の東芝機械のCNC「TOSNUC」や三菱電機のPLC、ベッコフオートメーションのソフトウェアPLCなどからの情報を「Orizuru Gateway」で収集し、サーバに蓄積。ダッシュボードなどで見える化する(クリックで拡大)

 現状では「見える化」を中心とした提案や導入が進んでいるというが、取得したデータの活用にもさまざまな取り組みを進めている。1つがAI活用による品質向上への取り組みだ。実際に事例としてプリント基板の穴開け加工時の位置ずれをAI活用で改善した事例を紹介した。

 これはCNCからNCデータと、温度センサーや振動センサー、環境センサーなどのセンサーデータを「Orizuru」に集め、AIを活用して蓄積と解析を行い、位置ずれが起こる条件を予測することに成功したという。これにより位置ずれの予測精度が高まった段階で加工位置の補正を行い、加工精度を高めることができるようになる。

 込山氏は「AIによる製造現場での実証は多いが、実際に成果を出せている事例はあまりないようで、来場者には非常に高く関心を持ってもらえている。今後はさらにこれらの解析結果をシステム化し、日常的に活用できるようにしていく」と述べている。

 その他、これらの「Orizuru」で取得したデータをAR(拡張現実感)で再現して実際の工作機械と組み合わせて表示し、内部の異常などを直観的に把握できるソリューションなども紹介した。

photo ARによる見える化のデモ(クリックで拡大)

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