「COMPUTEX TAIPEI 2018」の半分は組み込みからできているCOMPUTEX TAIPEI 2018レポート(前編)(2/3 ページ)

» 2018年07月03日 10時00分 公開
[大原雄介MONOist]

台湾なのに、なぜかWi-SUN

 Wi-Sunつながりでもう1つ。こちらはTWTCにブースを構える台湾QNOだが、なぜかWi-SUNをベースにしたIoTゲートウェイを参考展示していた(図10)。「なぜWi-SUNを?」と聞くと「台湾では昔からWi-SUNをやっているから」という返事。これは事実である。以前こちらの記事にも書いたが、Wi-SUN Allianceのメンバーページをみると、工業技術研究院とか資訊工業策進會(Institute for Information Industry)などの研究機関や、POWERTECHTSGIAといった台湾企業が含まれている。

図10 (図10)Wi-SUNベースではあるが、別にECHONET Liteは使っていない模様(クリックで拡大)

 ただし、これらのリストの中にQNOは現時点でも含まれて居ない。加えて言えば、同社の製品リストにもWi-SUN対応製品は1つもない。一応台湾向けニュースページではWi-SUNゲートウェイやWi-SUNモジュールを展示するとあって、それが図10というわけだが、取りあえずはゲートウェイを作ってみましたという程度以上の話ではない(モジュールははっきりとは分からなかったが、ロームのWi-SUNモジュールに酷似していた気がする)。「これ、ビジネスになるの?」と尋ねたところ、「いやー」と言葉を濁すあたり、取りあえずWi-SUNを手掛けてみましたという以上の話ではないような気もするが、Wi-SUNのメリット(一応国際標準、日本が主導、ISMバンド利用の割に2.4GHz/5GHzほど干渉が少ない、モジュールや対応製品も「日本には」ある)といったあたりが、受けているのかもしれない※1)

※1)NextDriveもそうだが、もう「日本発」という言葉はほとんどの国であまり意味を成していない。ただ幾つかの国ではまだそれなりにプレミアブランドになっているようで、その1つが台湾ということなのだろう

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