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» 2018年07月05日 11時00分 公開

金属3Dプリンタなど新事業にかける三菱重工工作機械、2030年に売上高1000億円へ製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

[三島一孝,MONOist]
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ジェイテクトとの提携は破談に

 ただ、一方で課題も大きい。成長を加速させる意味で意義があると見られていたジェイテクトとの工作機械分野における事業提携が破談となったのだ。

 ジェイテクトと三菱重工工作機械は2017年12月に事業提携に向けた協議を開始。製品分野が重複せずに補完関係にあったことに加え、三菱重工工作機械側には、ジェイテクトが既にグローバルでの展開に成功していること、ジェイテクトが持つエレクトロニクス関連製品を利用できることなどの利点があった。ジェイテクトにとっても三菱重工工作機械が持つ大型やハイエンドの機種をラインアップに加えられる点はメリットがあると見られていた。しかし、話し合いを進めてきた結果、2018年5月に事業提携の検討および協議を中止することを発表している※)

※)関連記事:工作機械分野での事業提携に向けた協議を中止

 提携が中止になった理由について岩崎氏は「双方のシナジー効果を得るのが現段階では難しいことが分かってきたからだ」と述べている。

 具体的には、期待されていた製品開発面、グローバル面で、それぞれの置かれている状況が大きく異なり、合わせるのに時間やコストが大きくかかることを理由とした。

 製品開発面ではスタイルの違いを挙げる。岩崎氏は「当社は基本的には個別受注で、設計から生産も個別で対応する手法を取っていた。一方でジェイテクトでは、量産に近い形でモジュラー化などが進んでいる。本来はこれらを組み合わせることを目指したが、現実的には合わせることが難しいということになった」と語る。

 さらに、海外展開については「ジュイテクトでは海外法人も基本的に日本の本社との一体運用が可能な体制となっているが、三菱重工工作機械では海外展開をM&Aなどにより実現してきており、海外法人が現地で個別のガバナンスを行っている場合も多い。これらを一体化するのが難しいという判断だった」と述べている。

 現状では「三菱重工グループの一員として成長を目指す」(岩崎氏)としているが、2030年度までに売上高で2020年度の2倍の成長を実現するには、協業など非連続な成長は欠かせない。「今現在は特に話はないが、常にオープンであるというのが基本姿勢だ」とし、岩崎氏は協業なども視野に入れる。ただ、有効な協業を実現するためにも、まずは社内体制の整備などにもあらためて取り組まなければならないようにも見える。

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