「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

フォードが自動運転で新会社、第三者からの出資受け入れも視野に製造マネジメントニュース

Ford Motor(フォード)は2018年7月24日(現地時間)、自動運転車の開発や、自動運転技術を応用したビジネスの事業化を加速させるため、合同会社「Ford Autonomous Vehicles」を新設すると発表した。併せて、同年8月1日付で収益性の高い成長に向けた組織体制の変更を行うことも明らかにした。

» 2018年07月26日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 Ford Motor(フォード)は2018年7月24日(現地時間)、自動運転車の開発や、自動運転技術を応用したビジネスの事業化を加速させるため、合同会社「Ford Autonomous Vehicles」を新設すると発表した。併せて、同年8月1日付で収益性の高い成長に向けた組織体制の変更を行うことも明らかにした。

 新会社はデトロイトのイノベーション拠点Corktown campusを本拠地とし、自動運転車に関する研究開発、自動運転による移動サービスネットワークの開発、ユーザーエクスペリエンスなどフォードの自動運転関連の取り組みを統合する。新会社のCEOは、フォード副社長で、電気自動車の開発チームを率いるSherif Marakby氏が務める。自動運転プラットフォームとモビリティソリューションのチームが緊密に連携することにより、自動運転関連のビジネスを迅速に立ち上げる。

 第三者からの出資も受け入れる方針だ。フォード傘下で自律走行車を開発するArgo AIとも連携する。フォードは、Argo AIへの10億ドルの投資を含め、2023年までに自動運転関連の取り組みに40億ドルを投資する計画だ。

 Marakby氏の異動に伴い、電気自動車の開発チームであるチームエジソンの担当は電動化担当のグローバルディレクターであるTed Cannis氏に代わる。フォードは電気自動車について、所有にこだわらず、さまざまな場所で充電できるようにし、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)も搭載する計画だ。

 グローバルオペレーション部門では、ITとグローバルなオーダーデリバリーシステムを活用し、生産システム全体で組織や技術、プロセスを統合する。車両のパーソナライゼーションやサプライチェーンの効率化、在庫抑制につなげる。グローバルオペレーション部門は製品開発部門と連携し、柔軟な車両アーキテクチャの下でモデル間の部品共有を拡大して開発期間を短縮する。スケッチ段階から販売店に並ぶまでの期間を20%短縮することを目指す。これにより、70億ドル相当の効率化を図るとしている。

 前輪駆動や後輪駆動、商用バン、電気自動車のプラットフォームは、電動パワートレインのモジュールファミリーとペアで展開する。車両開発の70%はこのアーキテクチャでカバーし、残りの30%はそれぞれの車両の差別化に充てる。

 プロダクトラインチームは、消費者主導の製品やサービスを提供するため、消費者調査や事業機会を重視しながら人間中心のデザインを目指す。北米の「Fシリーズ」やアジア太平洋地域向けの「レンジャー」、欧州での商用車などの実績を基に、消費者主導の開発を推し進める。

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