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» 2018年09月25日 10時00分 公開

NECソリューションイノベータのVRソリューション:VRで見て・感じよ! 座学では得られない気付きで事故を未然に防げ

今、産業でのバーチャル・リアリティ(VR)活用が非常に注目されている。しかし、VRは一体、どんな課題を解決してくれるのか? それがまだはっきり見えてない方もいるだろう。本稿では、エンタープライズ向けVRシステムの開発元としての経験とノウハウから生まれた、「NEC VR現場体感分析ソリューション」と、その活用事例を紹介する。そこから現場でのVR活用のヒントが得られたら幸いだ。

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 バーチャル・リアリティ(VR)の活用について、従来の方法では解決できなかった課題が解決できるのではないかと期待感を持っている読者も多いのではないだろうか。一方で、具体的に何が解決できるのか、どうすれば解決できるのか分からず、興味や情報収集から一歩前に進めない方も多いことだろう。「VRはどんな課題を解決してくれるのか」という疑問への答えとして、NECソリューションイノベータの「NEC VR現場体感分析ソリューション」の活用例を紹介したい。

NECソリューションイノベータ イノベーション戦略本部 先端技術事業創造グループ マネージャーの森口昌和氏

 NECにおけるVRの研究は、数10年の歴史がある。かつては複数のディスプレイを並べて仮想空間的な世界を作るものが中心だったが、5年前頃から、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着して没入体験するVRの研究を本格的に開始した。当初世間ではゲームなどアミューズメント領域を中心に使われ始めたが、NECは当初から「業務」での活用をターゲットとし、けん引してきている。

HMDを装着する:写真は「HTC Vive」

設計段階で検証できる

 VRの用途として最初に紹介するのは、「設計検証」での活用である。VRを利用することで、手戻りや完成後の問題発生を事前に防ぐことができる。

現場作業性評価:現場レビューに物品の持ち運びやボタンなどの現場作業機能を付加できる。実際に現場作業を体感することで、研修者の現場作業訓練や作業効率の評価が可能

 例えば、工場の生産ライン設計へのVR導入は、比較的初期の事例だ。設計には3D CADを使用していたが、効率や作業のしやすさなども含めて完全に設計者に委ねられていたため、実際にラインを動かしてみると使いにくい点などが指摘され、手戻りが発生していた。生産ライン全体を表現した3DモデルやCGに人間のモデルを置くといった客観的なシミュレータは使われていたが、実際の作業者の目線による主観的な検証が行えなかったためだ。

製品梱包のデモ

製品梱包デモの体験者

 3D CAD データをVR化すると、作業者自身がその世界に入って作業者の身長や目線で体験することができるため、工具を取りやすいか、隣に人との接触はないか、効率的かなど、設計段階で検証することができる。問題が見つかった場合にも、VRならばその場で変更して改善するかどうかを確認することができ、手戻りは大幅に削減される。

 同様に、モックアップを作るのに手間がかかる大型製品や、機器のメンテナンス性のチェックなどにも活用されている。

リアルな遠隔コミュニケーションができる

 同社が生産ラインの設計検証にVRを活用するなかで、見いだされた用途の1つが遠隔コミュニケーションだ。

 例えば、海外の工場に生産ラインを設置する場合には、現地でのレビューや打ち合わせなど海外出張は避けられず、時間もコストもかかってしまうという課題がある。

 VRを活用すると、遠距離であっても相手が隣にいるかのようにやりとりすることができる。しかも単に相手が見えるだけではなく、仮想空間の工場に再現された仮想的な生産ラインを見ながら打ち合わせをすることができるのだ。

 実際、VRによるコミュニケーションだからこそ見つかった課題もある。例えばタイの工場では女性の作業者がほとんどで、平均身長は日本人女性よりも10cm程度低い。それまでの生産ラインは身長160cmをベースに設計していたが、仮想的なラインを目の前に議論する中でタイでは少し高くて使いにくいということが明らかになったという。NECソリューションイノベータ イノベーション戦略本部 先端技術事業創造グループ マネージャーの森口昌和氏は「現場の作業者の意見は、特に海外の場合はなかなか日本まで伝わらないことが多いですが、VRにより、各国の現場それぞれの課題を発見し、解決することができるのです」という。

事前教育や遠隔地のチームワーク訓練、技能伝承にも

 VRは教育や研修にも活用できる。通常生産ラインの作業訓練は、生産ラインが出来上がってから行われるため、実稼働までに一定の準備期間が必要となる。この訓練にVRを活用すると完成前に訓練を終えることができ、そのままの効率ですぐに本格的な稼働を開始することができる。

 例えば何を手に取るべきかを「色」で指示し、それをきちんと指定の場所に設置すると、次の作業物が色で示されるという具合に、マニュアルレスでの訓練が可能だ。同社のソリューションではセンサー等と連携させることができるため、本物の道具を持ちながら、実際にその道具で作業しているかのように体験することもできる。

 作業訓練のためのトレーニングセンターが遠方にあるような場合も有効だ。トレーニングセンターをVR化し、それぞれの工場やオフィスにいながら研修を行えるので非常に効率がいい。相手の目線や行動が見えるだけでなく、モノの受け渡しや連携プレイなどのチームワーク訓練も遠隔地にいながら実現できる。

 またセンサーを用いて手や、目、からだの動きを取得してアーカイブすることもできるため、熟練者の技能を伝承する用途にも応用できる。熟練者と新入社員の違いを明示して気付きを与えたり、根本的な問題を改善したりといった活用もされている。

危険認知や安全順守教育

 VRは、1つの失敗が非常に多くの人に影響を与えるようなミッションクリティカルな領域や、事故やケガの危険性がある作業などにも広がっている。「最近多いのは、挟まれ、巻き込まれ、感電、転落、転倒など、工場で発生し得る事故を再現するというニーズです」(森口氏)。

 一例を挙げれば、現場に詳しくない新入社員等に、危険箇所や過去に事故が起こったケースなどを再現して体感させるといった利用である。同社のソリューションではさまざまなデバイスを組み合わせることが可能であるため、よりリアルな体験が可能だ。「ただ体験しただけでは視覚と音でビックリする程度でしょう。でもそこに触覚デバイスを加えると、例えば感電であれば『ビリッ』という感覚を与えることができます。実際のインパクトはバイブレータ程度なので危険はありませんが、シナリオや与え方次第で本当のような体験が可能なのです」(森口氏)。

 また災害や不測の事故などに遭遇した場合の対応は、座学やマニュアルだけで十分に伝えることは難しいが、VRによって状況を再現できるだけでなく適切な対応をシナリオ化して訓練することができる。ここでもセンサーを用いれば、例えば実際の消火器を手にして消火訓練なども可能になるし、嗅覚デバイスを用いれば、匂いを発生させて実際の危険認知の感覚を体験することもできる。

 逆にあらかじめ設定されたシナリオではなく、人の行動によって状況が変化することを体験しながら、適切な行動指針をフィードバックするという利用の仕方もある。

高所作業危険体験:高所にかかる狭い1本橋の足場でのシミュレーションの例。シミュレーションと分かっていても怖さを感じる。現場作業における危険性の再認識を促すコンテンツ。

「アッ!」――足場を踏み外せば落下する!

数年後の技術の妥当性をシミュレーションする

 昨今検証については、3D-CADをVRで見られるツールも登場しており、単に見るだけならばそのほうが効率的な場合もあるというが、「しっかりした作り込みが必要なニーズとして最近増えているのは、検証から発展したシミュレータ的な利用です。特に数年後に実現するであろう技術を実際に再現して、その新しい技術、文化のなかで、人が振る舞うとどんな問題があるかを検証するというものです」。

 例えば自動車の自動運転。これまでに目覚ましい発展を遂げてきたが、数年後に実現させる計画の自動運転については、そもそも精度が低い開発段階で完成後の問題を抽出することは、まず無理と言っていいだろう。そこでVRを活用して精度が完璧になった状態を再現し、それが本当に安全に使用できるのか、人がどう振る舞うのかなどをシミュレーションする。あるいは現実世界を再現して、そこで運転したらどうなるのかといったユーザーテストを行うこともできる。危険な行動を安全な環境でテストすることができるし、万が一想定していた安全性を確保できないことが分かれば、早期に設計を見直すことができるというわけだ。

 このような利用では、いかに現実に近づけられるかがシミュレーションの精度を左右するのは言うまでもないが、現実世界にハンドルやアクセル等を設置して実際に操作し、VR空間でもハンドルを操作している自分が見えるため、本当に運転している感覚を作り出すことができる。

最近ニーズが高まっている用途は……

 多くの案件に接している森口氏によると、教育や訓練用途のニーズが高まっているという。なかでも、危険認知や安全訓練に関する問い合わせが多いそうだ。「昨今特に安全・安心が重要視されていますが、現状の教育は座学や動画にとどまっています。より効果的な教育にするために、一歩踏み込んでVRを活用したいと考えるお客さまが増えているのだと思います」。

 また技能伝承の手段としてVRを活用したいという問い合わせも増加しているという。熟練者が退職を迎えるという課題が、VRへの期待にも反映されている。

 しかし、具体的な実装イメージを描けているわけではなさそうだ。「お客さまは、『効率よく訓練したい』、『安全性を高めたい』などそれぞれの課題をお持ちですが、多くのお客さまに共通しているのは、VRについては『何か解決できそうだけれど、何が解決できるのか分からない』という状況におられることです。私どもは現場の課題などをじっくりお聞きして、どのような解決策が可能なのかをご提案しています」(森口氏)。

 VRの利用に踏み込む業種はますます広がっているが、同社では製造業での実績が多く、NECグループでも導入されている。現場の課題をよく理解し、ノウハウも蓄積されているため、状況に応じた最適なソリューションを提案してくれる。

汎用デバイスによる安価でリアルなソリューション

 NECソリューションイノベータの「NEC VR現場体感分析ソリューション」の特徴は、大きく3つに整理できる。

 1つ目は、センサーやデバイスを連携してリアルな“現場作業”を再現することである。コントローラーだけでなく実際の手や道具を用いても作業することができ、足の位置、身体負荷・身体衝突の表示など、身体状況による判定も可能だ。またバイブレータから力覚反発まで、仮想空間内で触覚、力覚を体感することができるほか、実際の「目」の動きを捉えて現場観察や動画撮影だけでは分からない体験者の挙動を把握し、インプットに利用することもできる。空間を表現するグラフィックは、簡易的な環境から映画並みのCGまで、方針に合わせて調整してくれる。

 2つ目の特徴はデバイスの汎用性である。デバイスは市販の安価で高性能なものを組み合わせて使用し、同社が作成するコンテンツと合わせて、最適なソリューションを提供する。またNECの持つAI等の技術とも組み合わせて、発展させることもできる。

 3つ目は単なる「体験」だけでなく、センサーで得られたデータから動作分析・行動評価に発展させられることである。継続することに意味のあるVRソリューションを提案し、今後の発展も含めてお客さまと「共創」して作り上げていくことができるのは、同社ならではである。

センサーから取得したデータを用いて身体の動きを可視化する例

 「VRは現実には難しいことを実現できる手段です。センサーやデバイスなども日々進化していますし、VRの活用領域はこれからますます広がっていくと思います。その人の目線でなければ分からないこと、体験しないと分からないことを、仮想体験できる効果は非常に大きいと思います」(森口氏)。

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提供: NECソリューションイノベータ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2018年10月24日