AIモデル技術を活用、プラント反応器状態予測に成功製造ITニュース

NTTコミュニケーションズは、プラント内の反応器の状態を予測するモデルを構築した。横河電機のプラント制御シミュレーターと組み合わせ、仮想的なプラント再現に必要なシミュレーターを作成し、連続的なシミュレートに成功した。

» 2018年10月16日 09時00分 公開
[MONOist]

 NTTコミュニケーションズは2018年10月4日、プラント内にある反応器の状態を予測するモデル(反応器状態予測モデル)を構築したと発表した。横河電機のプラント制御シミュレーターと組み合わせ、仮想的なプラント再現に必要なシミュレーターを作成、実行したところ、予測誤差の累積による乖離(かいり)を起こさず、連続的なシミュレートに成功した。

 NTTコミュニケーションズと横河電機、横河ソリューションサービスの3社は、2017年10月より共同で、プラント制御の高度化に向けた実証実験を実施している。今回、この制御技術のさらなる高度化のため、2018年4月から共同実証実験を開始。NTTコミュニケーションズのAI(人工知能)モデル化技術を活用し、蓄積されたプロセスデータから反応器の状態変化を予測する反応器状態予測モデルを生成した。

photo 実証実験の概要(クリックで拡大) 出典:NTTコミュニケーションズ

 同モデルでは、状態変化に影響する16項目の変数を対象として、それぞれのモデルを生成、結合した。さらに、横河電機のプラント制御シミュレーターと組み合わせ、10日分の生産プロセスに対して、反応器の状態変化とその変化に対する制御を連続的に実行する環境を構築した。

 その結果、予測誤差の累積による乖離を起こさず、連続的にシミュレーターを実行することに成功。状態変化に影響する各要素の影響度が分析可能になるため、生産プロセスに影響する変動要因の特定や制御パラメーターの自動最適化など、生産制御技術の高度化につながる。

 3社は今回の実証実験を活用して、今後も生産制御技術の高度化に向けた開発を続けるとしている。

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