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» 2018年11月28日 11時00分 公開

製造業がサービス業となる日:サービタイゼーション実現に必要なこと、アフターサービスを見直そう (1/2)

シンクロン・ジャパンは2018年11月27日、同社主催セミナー「グローバル製造業/エグゼクティブセミナー2018 世界で戦う強い製造業の条件〜AI/IoT時代を勝ち抜くアフターマーケット改革 」を開催した。

[松本貴志,MONOist]

 シンクロン・ジャパンは2018年11月27日、同社主催セミナー「グローバル製造業/エグゼクティブセミナー2018 世界で戦う強い製造業の条件〜AI/IoT時代を勝ち抜くアフターマーケット改革」を開催した。

 スウェーデンに本社を置くシンクロン(Syncron International)は、アフターサービスパーツ管理ソリューションを展開するクラウドソリューションベンダー。今回のセミナーでは、製造業のアフターサービス領域における収益化の重要性や、その先に見据えるモノ売りからコト売りへの転換など「サービタイゼーション(サービス化)」実現の可能性について訴求した。

サービスパーツ在庫適正化を推し進める日立ハイテクノロジーズ

日立ハイテクノロジーズの本間一尚氏

 本セミナーの最初のセッションでは、特別事例講演として日立ハイテクノロジーズのサービス・ソリューション事業推進本部で本部長を務める本間一尚氏が、同社のサービスパーツマネジメントに関する取り組みを紹介した。

 半導体製造装置や医用機器などを手掛ける同社では、製品販売の軸足が海外市場に移りつつあること、そして製品の長期継続利用ニーズが高まっていることなどを背景として、これまで課題であった海外顧客への納期順守率の改善と在庫量の適正化を目指し、サービスパーツマネジメントの強化に力を入れている。このため、管理状況の見える化による需要予測とこれまで数種に分かれていたKPIの統合が急務だったとする。

同社サービスパーツマネジメントの現状と目指す姿(クリックで拡大) 出典:日立ハイテクノロジーズ

 そこで同社では、2016年第4四半期からシンクロンを含めた複数のサービスパーツ管理ソリューションの導入検討を始め、2017年度にシンクロンを選定。その後、システム設計を進め、2018年5月から日本、韓国、台湾の各地域でERPと連携させた「Syncron MasterData」と「Syncron Inventory」の先行導入を開始している。

システム構成の概要(クリックで拡大) 出典:日立ハイテクノロジーズ

 これらソリューションを先行導入した日立ハイテクノロジーズだが、将来的にはサービスパーツマネジメントの業務について、代理店を含めたグローバル全体での在庫管理、全拠点での納期順守および見える化、熟練者に属人的であった業務プロセスの均質化と効率化を目指すとする。

 本間氏は、現時点における活用事例を紹介し、実務担当者についてはサービスパーツの「補充推奨数の自動生成と承認」「欠品リスクのアラート」、管理者については「在庫状況などのシステム標準KPIレポート」「納期順守率などの同社独自KPIレポート」といった機能を用いていることを説明した。

活用事例の概要(クリックで拡大) 出典:日立ハイテクノロジーズ

 特に、補充推奨数の自動生成と承認機能について、本間氏は「従来は各担当者が経験則で発注点を決めて発注しており、在庫状況が乱高下する部品は在庫切れや在庫過剰が発生していた。同機能ではシステム需要予測に基づいた推奨発注数量で発注するとともに、重要部品は経験者のアナログな知見も活用することで、業務の均質化と効率化を狙う」とメリットを示す。

補充推奨数の自動生成と承認機能の概要(クリックで拡大) 出典:日立ハイテクノロジーズ

 今後、さらなる在庫適正配置による納期順守率の改善を行うとともに、在庫金額の削減と在庫不足の解消を達成するため同ソリューションの展開拡大を図るとし、「3年以内の体制確立を目指す」(本間氏)と展望を語った。

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