RXv3コア搭載の32ビットマイコンを発売、最大4モーターを同時制御組み込み開発ニュース

ルネサス エレクトロニクスは、第3世代の32ビットCPUコア「RXv3」搭載マイコンの第1弾として、「RX66T」グループを発売する。RXv3コアの搭載により、従来品に比べて演算性能が2.5倍に向上した。

» 2018年12月10日 08時00分 公開
[MONOist]

 ルネサス エレクトロニクスは2018年11月27日、第3世代の32ビットCPUコア「RXv3」搭載マイコンの第1弾として、「RX66T」グループを発売すると発表した。ラインアップは、端子数が64〜144ピン、内蔵フラッシュメモリが256〜1024KBの計80品種。主力の100ピン、フラッシュメモリ256KBまたは512KB、SRAM64KB品の量産出荷を開始しており、1万個購入時の価格は3.25ドル/個(約370円、税別)となっている。

photo 32ビットマイコン「RX66T」グループ(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 RXv3コアを搭載したことで、従来品「RX62T」「RX63T」に比べて演算性能が2.5倍に向上した。動作周波数は最大160MHzで、Coremarkは928を達成。5V電源にも対応し、インバーター制御に適している。PWM信号のタイミングは、従来の1.6倍となる最小195psで調整できる。

 また、CAVP認証取得実績のあるトラステッドセキュアIPを搭載。セキュアなファームウェアアップデートと暗号化通信が可能だ。

 同社の組み込みAI(人工知能)「e-AI」によるモーターの異常検知プログラムも追加できる。これにより、モーターの電流や振動などからモーターの異常をリアルタイムに検知し、故障予測や故障場所の特定につなげる。

 産業用モーターやエアコン、洗濯機、パワーコンディショナー、ロボットなどのインバータ制御での利用を見込む。最大4モーターの同時制御に対応するため、多軸モーター制御を必要とする小型産業ロボットやパーソナルロボットにも適用できる。

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