2つの成膜工程を一体型したロールtoロール成膜装置FAニュース

日立造船は、フィルム基板対応の反射防止膜と防汚膜の成膜工程を一体型した、ロールtoロール成膜装置「HARD-F series」を発売した。製造ラインをコンパクトにし、製造時間を短縮する他、膜の防汚、耐久性能が2倍以上に向上している。

» 2018年12月14日 07時00分 公開
[MONOist]

 日立造船は2018年11月26日、フィルム基板対応の反射防止膜(AR膜)と防汚膜(AF膜)の成膜工程を一体型した、ロールtoロール成膜装置「HARD-F series」を発売した。

 HARD-F seriesは、AR膜とAF膜、2つの成膜プロセスが一体化しており、フィルム基板上にAR膜とAF膜を連続で成膜できることから、製造ラインがコンパクトになる。

 また、AR膜にスパッタ法、AF膜には面蒸着法を転用したインライン蒸着法と、同社独自の開発技術を採用。インライン蒸着法によってAF膜の乾燥工程が不要になり、これまで約20m程度だった製造ラインを10m以下までコンパクト化できる。さらに乾燥工程がなくなったことにより、製造時間も3分の2程度に短縮する。

 成膜効率だけでなく、品質も向上している。製造されたフィルム基板は、指紋などによる汚れや反射を防止する効果、撥水効果に優れ、従来品と比べて汚れ防止の性能や耐久性が2倍以上に。デジタル端末などのディスプレイや各種インストルメントパネルなどに求められる高機能膜へのニーズに対応する。

photo ロールtoロール成膜装置「HARD-F series」の構造(クリックで拡大) 出典:日立造船
photo 左:防汚膜成膜品、右:未処理品 出典:日立造船

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