製造業×品質、転換期を迎えるモノづくりの在り方 特集
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» 2019年01月11日 10時00分 公開

MONOist 2019年展望:2019年も検査不正は続くのか――モノづくりのプライドを調査報告書から学べ (4/4)

[松本貴志,MONOist]
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現場をどのようにして変えていくか

 これまで取り上げてきた原因について、あなたの現場は当てはまっていただろうか? 当てはまっていた場合、どのように解決へ取り組めばよいのだろうか。日立化成は次のように再発防止策を策定している。これら項目は、各社調査報告書の再発防止に向けた提言においても見ることができ、普遍的なものと考えられる。

  • 経営陣の品質重視姿勢を明確化、社内意識改革の取り組み
  • 従業員の品質保証に対する意識改革
  • 品質保証体制の抜本的な改善と基盤強化
  • 品質保証に関わる監査と内部通報制度の強化

 現場に必要なもの、そして変えなければならない点も多々ある。品質に対する甘えを全部門で排すこと、検査作業を棚卸しし負荷が超過していれば人員や設備を強化すること、品質保証部門の権限を高めるとともに他部門とのコミュニケーションを図ること、顧客と対等な立場で関係性を築くこと、品質に関する教育を定期的に実施しカイゼン活動を続けること等が考えられる。また、社内のガバナンスを順守するとともに不審な点があった場合には内部通報制度を活用することも忘れてはならない。ともすれば月並みな改善点にも思えるが、これこそ重要なことなのだろう。


 不適切検査はこれまでに発覚した一部企業のみの問題ではない。問題の要因とされる品質保証部門の軽視や顧客に迎合する姿勢、検査プロセスの脆弱性等は製造業全般が抱える課題といえる。MONOistでは2019年2月より品質に関する特集を組み、これらの課題解決に役立つ情報提供を行う予定だ。

 最後に、日立化成調査報告書の原因分析の章で記された同社従業員の意見を紹介し、本稿をまとめたい。

「お客様にお金を払っていただいて購入しているという意識が低いのではないか。自分が消費者になった立場を常に意識し『モノづくりの会社』として対価のある製品を提供する事へのプライドをもう一度取り戻すべき。これは品証部門だけでなく、製造・開発にも同様と思う。」――出典:日立化成調査報告書 434ページ

⇒「MONOist 新年展望」記事はこちら

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