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» 2019年01月16日 06時00分 公開

CES2019:日本のAGLメンバーでコックピットを共同開発、量産車向けの機能盛り込む

Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、サプライヤーなど日系企業のAGLメンバーで開発したインフォテインメントシステムでデモンストレーションを行った。

[齊藤由希,MONOist]
日本のAGLメンバーで共同開発したインフォテインメントシステム。写真左の横長のディスプレイがクラスタ用。写真右の縦長のディスプレイはIVI用(クリックして拡大)

 Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、サプライヤーなど日系企業のAGLメンバーで開発したインフォテインメントシステムでデモンストレーションを行った。

 デモ機には量産車にAGLを使っていくにあたって実現したい機能を実装した。日本向けの閉じた取り組みではなく、グローバルのコミュニティーとも成果や課題を共有してさらに作り込んでいく。

 デモ機は、クラスタ用とIVI用の2つのボードとディスプレイで構成されている。クラスタ用はルネサス エレクトロニクスの「R-Car M3」を、IVI用は「R-Car H3」を使用した。2つのボードはイーサネットで接続している。これらのハードウェアを用いて、量産車でニーズの高まっている機能を開発した。まずは、横長の画面を使った車載情報機器への対応だ。横スクロール、車速やエンジンの回転数の表示、ドライバーモニタリング用のカメラの入力、メーターとナビゲーション画面の両方の表示を実現している。車速やエンジンの回転数については、ペダル操作と連動して表示した。

車速、エンジンの回転数、カメラの映像、ナビゲーションシステムの画面をクラスタ用ディスプレイにまとめて表示している(左)。IVI用とクラスタ用で連携して表示することが可能だ(右)(クリックして拡大)

 ナビゲーションシステムは、新たにオンラインの地図データを採用した。地図データはオープンソースのMapboxのものだ。最新の地図情報を使用したいという自動車ユーザーのニーズに対応する。また、これまではオフラインの地図データを使用しており、AGLの開発者が地図を更新できなかった点も解決した。地図やルート案内の情報は、クラスタ用とIVI用のボードが連携して表示できるようにしている。これにより、センターディスプレイの情報をメーターにも表示するといったことが可能になる。

SDLでSpotifyを利用している様子(クリックして拡大)

 さらに、スマートデバイスリンク(SDL)により、スマートフォン内のアプリをIVI用のディスプレイに表示することもできる。デモでは音楽ストリーミングサービス「Spotify」のアプリを使った。現在は対応したアプリが限られているが、AndroidとiOSの両方で連携できるアプリを増やしていく。

 このデモ機は、日本のAGLメンバーが毎月集まり、課題を洗い出して解決策を話し合う中で開発した。デンソーやパナソニックなどサプライヤーが参加して開発したことで、実際の量産モデルの開発に必要な要素を盛り込んだ。

 「この取り組みは、AGLである程度まで作っておいたシステムを実際の製品開発に活用してもらい、差別化要因の追加にリソースを投入するためのものだ。AGLで6〜7割ができていて、残りの3〜4割を自動車メーカーごとの作り分けや、自社で開発した新サービスの追加に充てる。最初から全て作る必要がないということを狙っている」(AGL)

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