オートモーティブワールド2019/ スマート工場EXPO特集
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» 2019年01月17日 06時00分 公開

オートモーティブワールド2019:トポロジー最適化で衝突安全性能や車体剛性を向上、JFEスチールの取り組み

JFEスチールは「第9回 クルマの軽量化技術展」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)において、スズキや三菱自動車に提供したトポロジー最適化技術を披露した。スズキ「スイフトスポーツ」、三菱自動車「アウトランダーPHEV S Edition」「エクスパンダー」「エクリプスクロス」に採用されている。

[齊藤由希,MONOist]

 JFEスチールは「第9回 クルマの軽量化技術展」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)において、スズキや三菱自動車に提供したトポロジー最適化技術を披露した。スズキ「スイフトスポーツ」、三菱自動車「アウトランダーPHEV S Edition」「エクスパンダー」「エクリプスクロス」に採用されている。

 トポロジー最適化は、設計空間内で要求性能に必要な部分を残存させる解析手法だ。一般に鋳物や樹脂の形状最適化に用いられることが多かった。JFEスチールでは、薄い鋼板で構成される乗用車の車体に適用した。これにより、車体における構造用接着剤の使用量や部品の重量を低減しながら、衝突安全性能や車体剛性の向上を達成している。

部品の形状を最適化するまでの流れ。「残存形状」はそのまま部品にできない形のため、最終的には人の手で設計し直している(クリックして拡大) 出典:JFEスチール

 スイフトでは、フロントのダッシュサイドパネルにトポロジー最適化を採用し、剛性を従来比で4.3%高めた。従来の手法では部品単体で最適化を行っていたため、複雑な荷重の変化を反映するのが難しく、精度の低い形状しか抽出できなかった。スイフトのフロントダッシュサイドでは、設計空間を車体の一部として組み込んで解析することにより、荷重の伝達を考慮した計算が可能になった。これにより、少ない部品重量で衝突安全性能を効率的に向上させる部品形状が決まった。

 ただ、設計ツールによって得られたトポロジー最適化の結果は、そのまま実際の部品の形状として使うことができない。「他の部品との兼ね合いも考慮した部品の形状は、最終的に人が考えて設計する必要がある。そのため、トポロジー最適化の結果のエッセンスをどのように抜き出して設計に役立てるかが重要だ」(JFEスチールの説明員)。

三菱自動車向けでの採用事例(左)。赤い線はトポロジー最適化に基づいて実際に構造用接着剤を塗布した位置(右)(クリックして拡大) 出典:JFEスチール
スポット溶接を増し打ちする位置についてもトポロジー最適化で検討した(クリックして拡大) 出典:JFEスチール

 アウトランダーなどの三菱車では、特に高い剛性が要求される後輪のタイヤハウスや荷室の開口部に対し、車体剛性を効果的に向上できる構造用接着剤の塗布位置を割り出した。また、スポット溶接の増し打ちについても、剛性向上に寄与度が大きい打点を残す上でトポロジー最適化を活用した。

 骨格部品はスポット溶接で接合されており、特に剛性が要求される部位では構造用接着剤も使用する。ただ、コストアップを抑制するため、車体に合計100m以上ある接合部位の中から剛性向上に有効な箇所を抽出することが課題となっていた。

 JFEスチールは、素材だけでなく設計や加工法も含めて提案することにより、自動車の軽量化と性能向上に貢献する方針だ。

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