「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像
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» 2019年01月28日 06時00分 公開

和田憲一郎の電動化新時代!(31):都市部への人口集中、観光客の増加……今こそ新しいモビリティの創造を! (1/4)

中国が建設を進める新しい都市「雄安新区」を2018年末に訪問した際、このプロジェクトは「国家千年の大計」と聞いた。千年といえば、日本にも千年続くことを計画して作られた都がある。平安京そして現在の京都である。平安京は、794年に遷都以来、その後京都として現在で1225年になる。今回は、千年の大計と呼ばれる中国の雄安新区、そして日本の平安京(京都)における街づくりの在り方から、2019年の初頭の話題として、将来のモビリティ像について考えてみたい。

[和田憲一郎(日本電動化研究所 代表取締役),MONOist]

 中国が建設を進める新しい都市「雄安新区」を2018年末に訪問した際、このプロジェクトは「国家千年の大計」と聞いた。千年といえば、日本にも千年続くことを計画して作られた都がある。平安京そして現在の京都である。平安京は、794年に遷都以来、その後京都として現在で1225年になる。今回は、千年の大計と呼ばれる中国の雄安新区、そして日本の平安京(京都)における街づくりの在り方から、2019年の初頭の話題として、将来のモビリティ像について考えてみたい。

 最初に、中国雄安新区をご存じない方のために少し紹介したい。雄安新区は、2017年4月に北京の首都機能の補完およびイノベーションの発展モデル都市育成を主眼として、国家主席 習近平氏の主導の元、「国家千年の大計」として公表された。

 場所は北京から南西に最短で105kmに位置し、北京、天津を結ぶ三角形を形成する。最終計画面積は1770km2を予定しており、その大きさは日本の最小都道府県が香川県の1862km2であることから、ほぼ同等の面積を有する巨大な新区である。

 主な特徴として、オフィス・住宅エリアが3割、森林・湖エリアなどが7割とし、居住人口は当初100万人、2035年には250〜300万人を目指している。中国の新都市といえば、上海の高層ビル群を思い出すが、ここはオフィス・住居エリアも高さ45mに制限され、自然に取り囲まれたコンセプトとしている。

 また、国雄安新区はイノベーション発展モデルを目指すため、域内は自動運転車のみ走行可能とする指針を出したことで話題となった。2018年末に雄安新区を訪問した際も、その中心にある雄安新区市民サービスセンターでは、Baidu(百度)がアポロプロジェクトで手掛ける数台の自動運転車が域内をゆっくりとデモンストレーションしていた。さらに、NEOLIX(新石器)の無人搬送車なども見ることができた。これらは、訪れる人のために、イノベーション・ショーケースの役目を果たしているのだろうか。

 都市計画の詳細は明らかになっていないが、「1つの方形都市、2つの軸線、5つのクラスタ、10の景苑、100の花畑、千年の林、万項に及ぶ波」のキーワードで表される。なお、都市交通は、雄安新区まで高速道路や新幹線の導入計画はあるが、域内は自動運転バスを含めた自動運転車と地下鉄のみが計画されている。人口に対して不十分なように見えるが、今後新たな計画が出てくるかもしれない。

図表1:中国の雄安新区(クリックして拡大) 出典:日本電動化研究所
図表2:百度アポロプロジェクトの自動運転車が走行(左)。図表3:NEOLIX(新石器)の無人搬送車(右)(クリックして拡大) 出典:日本電動化研究所
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