AR技術を利用した、鉄道車両向けのボルト締結作業管理システムを開発FAニュース

日立製作所は、AR技術を利用した鉄道車両向けのボルト締結作業管理システムを開発した。従来のシステムにヘッドマウント型のスマート端末を利用したAR技術を導入することで、締結作業全体をデジタル処理で合否判定できるようになった。

» 2019年01月30日 07時00分 公開
[MONOist]

 日立製作所は2019年1月11日、YAMAGATA、京都機械工具と共同で、AR(拡張現実)技術を利用した鉄道車両向けのボルト締結作業管理システムを開発したと発表した。

 日立では、鉄道車両の製造に、デジタル式トルクレンチとタブレットPCによって自動で締結力を判定・記録するデジタルトルクレンチシステムを用いてきた。このシステムに、ヘッドマウント型のスマート端末を利用したAR技術を導入することで、ボルトが指定通りであるかの確認を含めた締結作業全体を、デジタル処理で合否判定できるようになった。

 新システムでは、ヘッドマウント型スマート端末のディスプレイに、締結すべきボルトの位置が表示され、事前に入力した設計データを元に作業者を誘導する。また、スマート端末搭載のカメラが締結作業の様子を常時監視しており、デジタルトルクレンチとの連携により、指定のボルトが規定通りに締められたかを自動で判定する。

 作業結果が指定通りと判定された場合は、次の作業が表示される。ボルトの締めが足りないといった場合には、再度作業するよう表示される。作業者は、従来のようにタブレットPC上でボルトの確認をする必要がなく、ヘッドマウント型スマート端末のディスプレイを通した視界上で効率的に作業できる。

 同社は、今回開発したボルト締結作業管理システムを鉄道車両の製造現場で実証し、2019年度下期の実運用を目指す。

photo AR技術によるボルト締結 出典:日立製作所

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