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» 2019年02月08日 14時00分 公開

DMS2019:モノづくりのディティールにまでデジタルを、自ら手も動かすNECが描く将来像 (1/2)

NECは「第30回 設計・製造ソリューション展(DMS2019)」(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)において、次世代のモノづくりを具現化するコンセプト「NEC DX Factory」を基に関連技術を紹介した。

[三島一孝,MONOist]

 NECは「第30回 設計・製造ソリューション展(DMS2019)」(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)において、次世代のモノづくりを具現化するコンセプト「NEC DX Factory」を基に関連技術を紹介した。

モノづくりの将来像を示す「NEC DX Factory」

 「NEC DX Factory」は2018年6月にNECが打ち出したコンセプトで、設計から製造、出荷、物流までの全てのプロセスをデジタル化し、バーチャルでシミュレーションした後、フィジカルにフィードバックし、モノづくりの革新につなげることをテーマとしている。

 この「NEC DX Factory」の取り組みの一環として2019年2月1日には「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の展開なども新たに発表している※)

※)関連記事:NECが協働ロボットのインテグレーターに、「匠」によるライン設計が違いを生む

 これらを実体験できる場として、NEC玉川事業所に「NEC DX Factory共創スペース」を設置しており、多くの企業が利用しているというが、今回のDMSではこの「NEC DX Factory共創スペース」の展示を中心に設置し、そこに関連する技術を周辺で紹介するという形を取った。

photo DMS2019で設置した「NEC DX Factory」の展示(クリックで拡大)

 「NEC DX Factory共創スペース」では、NECの物体指紋認証技術による個体認証技術や音声認識技術、RAPID機械学習技術や異種混合学習技術などのAI技術などさまざまな技術を投入し、ロボットを採用して自動化を実現した製造ラインを構築している。部品投入から加工、組み立て、検査までの一連の流れを再現するが、この実証ラインのポイントはその裏側にあるデータの活用フローである。

 NECではこれらの製造ラインから上がってくるデータを「ものづくりデータベース」に収集し、そのデータを「NEC Industrial IoT Platform」として活用していくコンセプトを打ち出している。実際にこの実証ラインからはさまざまな情報を取得できるようになっており、ものづくりデータベースにあらゆるデータが収集されている。

 これらを活用することで、機械や設備の稼働状況や製造実績などの遠隔監視をリアルに体験できる他、AI活用などによる保全などの使い方も再現できる。そうした中で大きな価値として訴えたのが、同社の異種混合学習技術を用いた品質の要因分析である。

 異種混合学習技術とは、NECの中央研究所が開発した、ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から、多数の規則性を自動で発見し、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替える技術。これにより、単一の規則性のみを発見し参照する従来の機械学習では分析が困難な、状況に応じて規則性が変化するデータでも、高精度な予測や異常検出が可能となるという。

 これをものづくりデータベースに当てはめて、製造情報から不良の要因分析を行うことで、熟練者でも特定しきれなかった不良の要因を特定できるようになったという。「位置ズレによる不良が発生するある工程があったが、熟練工はその部品を置くところに要因があると考えた。しかし、異種混合学習による品質要因分析をかけると、そもそも部品を取るところの関係度が高いという結果が出た。実際には部品をロボットが取るときに位置がずれるために、置く位置がずれ、位置ずれが起こっていたというのが真相だった。このように不良の真因を特定するのに非常に意味がある」(NEC)としている。

 要因の表示方法も、フィッシュボーン図やツリー図のように分かりやすく表示し、生産技術者が親しみやすい形で不良要因の相関性をひょうじできるようにしているという。

photo 異種混合学習技術による品質要因分析の表示イメージ図。AIはブラックボックスだとされてきたが、関連度の高い要因を分かりやすく示せるために不良の真因を容易に特定できる(クリックで拡大)
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