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» 2019年02月12日 10時00分 公開

サービタイゼーション:製造業の「コト売り」への移行、鍵を握るのは“サブスク”だ!

急激に進むデジタル化に伴い企業に新たなビジネスモデル構築が求められる中、製造業の課題になっているのが「モノ売り」から「コト売り」への移行だ。特に、「コト売り」で重要なサブスクリプションモデルで確実に収益を上げるのは容易なことではない。この課題解決のヒントを、ジェムアルトの採用事例から探っていこう。

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「コト」のビジネスに立ちはだかるマネタイゼーションの壁

ジェムアルトのダミアン・ブロット氏 ジェムアルト グローバルセールス部門 バイスプレジデントのダミアン・ブロット氏

 デジタルトランスフォーメーション(DX)とも呼ばれる変革の中でソフトウェアの重要性がさらに高まるに伴い、B2B分野の製造業においてもビジネスモデルの刷新が急務となっている。機器や装置などの製品を販売し、その後はメンテナンスやサプライ品販売などのアフターサービスで収益を得る「モノ売り」を中心とした旧態依然のビジネスモデルから、顧客に新たなエクスペリエンス(体験価値)を提供して継続的に対価を得る「コト売り」を中心としたビジネスモデルへの転換が求められているのだ。

 ただ、これは決して容易なことではない。自社の製品あるいはそこに組み込まれているソフトウェアからどんな「コト」を提供することができるのか。さらに、その「コト」をいかなる手段によって収益化することができるのか――。マネタイゼーションの大きな壁が立ちはだかっているのが現実だ。

 この課題に対するソリューション提供で世界トップクラスのシェアを誇っているのがジェムアルトである。同社 グローバルセールス部門 バイスプレジデントのダミアン・ブロット氏は、価値創造のために求められるものとして「収益ストリームの創造」「運用効率の向上」「ビジネスの洞察の獲得」「顧客満足度の向上」という4つの要素を挙げ、「企業が成功にたどり着くまでの複雑なジャーニーをわれわれがガイドします」と語る。

2010年以降で最も成長した企業はGAFAやアリババ、テンセントではない

ジェムアルトのジャム・カーン氏 ジェムアルト ソフトウェアマネタイゼーション事業本部 マーケティング担当バイスプレジデントのジャム・カーン氏

 ジェムアルトが提唱するマネタイゼーションの方法論をより詳しく掘り下げていこう。同社 ソフトウェアマネタイゼーション事業本部 マーケティング担当バイスプレジデントのジャム・カーン氏は「ロボティクス、モバイル、メディカル、イメージングなど至る所に遍在するソフトウェアが、ビジネスに大きな影響力を及ぼし、イノベーションをけん引しています」と語り、ソフトウェアの重要性をあらためて強調する。

 実際に2010年以降、最も劇的な成長を見せたのがどういった企業だったのかを考えてみよう。カーン氏によれば、それはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)でもなければ、アリババやテンセントといった中国企業でもない。その企業とは宅配ピザチェーンのドミノピザであり、株価時価総額で実に2500%もの成長を遂げてきた。

 どうやってドミノピザがこのような急成長を実現したのかというと、背景にあったのがデジタルを活用したビジネスモデルの変革である。毎日午後5時になるとスマートフォンにピザ注文の案内が届けられ、注文ボタンをタップしておけば家に帰る頃にちょうどピザが配達されてくる、そんなアプリを展開したのだ。カーン氏は「他の宅配ピザチェーンと比べてドミノピザが特においしいわけではありません。それにもかかわらず顧客はなぜドミノピザに注文したかというと、『便利さ』や『早さ』を求めたからに他なりません。『モノ』ではなく『コト』を売るとは、まさにそういうことなのです」と説明する。

 まずは顧客が必要としているのが何なのかを知ることが、マネタイゼーションで成功するための第一歩となる。その意味ではデバイスの中に組み込まれているソフトウェアも非常に重要な役割を果たす。「そのソフトウェアを活用することで、より深く顧客とつながり行動を把握することが可能となり、ひいては顧客の嗜好やニーズを理解することができます。提供すべき価値がデータから導き出されるのです」(カーン氏)。

国内エンタープライズITベンダーにおけるサブスクリプション移行

 ジェムアルトは、このようなソフトウェアによるマネタイゼーションに必要なソリューションとして「Sentinel」を展開している。Sentinelは、永久ライセンス販売のパッケージソフトウェアを月額利用のサブスクリプションライセンスに変更する用途を中心に、グローバルで広く採用されている。いわゆる“サブスク”ビジネスに欠かせないソリューションといえるだろう。

 ここからは、国内エンタープライズITベンダーによる “サブスク”ビジネスの事例として、アステリア(旧社名:インフォテリア)の取り組みを紹介しよう。

 アステリアは、システム間連携の「ASTERIA Warp」、システムとヒト(モバイル端末)をつなぐ「Handbook」、システムとモノ(IoTデバイス)をつなぐ「Gravio」、ヒトとモノをつなぐ「Patio」といった、「つなぐ」に特化したソフトウェア製品やサービスを提供しているエンタープライズITソフトウェアのベンダーだ。

 同社の主力製品であるASTERIA Warpを投入したころは、ソフトウェアはパッケージ販売が主流だった。しかし現在では、多くのソフトウェアがサブスクリプションモデルに販売形態を移行している。これは、ソフトウェア導入の主導権が情報システム部門から現場へシフトし、より気軽に使ったり、やめたりできるソフトウェアが選ばれるようになっているためだ。

アステリア 代表取締役社長 CEOの平野洋一郎氏 アステリア 代表取締役社長 CEOの平野洋一郎氏

 同社 代表取締役社長 CEOの平野洋一郎氏は「インターネットやクラウドが普及し、ソーシャルの基盤が拡大し、さらにエンタープライズIT環境においてもデータ連携やAPI連携が容易にできるようになると、すでにある階層型の組織に仕事を割り当てるのではなく、仕事に応じて柔軟に組織を作ることが可能となります。特定のテーマに必要な人をすぐにつないでプロジェクトを立ち上げる、動結合による『自律−分散−協調』型の組織が求められているのです」と語る。

 アステリアがサブスクリプション移行の際に最も苦労したのが、主力製品であるとともに、パッケージ販売のユーザーが最も多いASTERIA Warp(アステリア ワープ)である。これまで販売を100%頼ってきた代理店からの反発を受けたのだ。その直接的な理由は、単発売上の減少だが、背景としては代理店に「月額徴収の仕組みがない」「サブスクリプションモデルに対応した営業職の評価制度がない」といったこともあり、調整には約2年を費やしたという。

 この課題を解決すべく同社が実施したのが、機能を限定して大幅な低価格化を図ったサブスクリプション専用製品「ASTERIA Warp CORE」(アステリア ワープ コア)の開発と、サブスクリプション専門のパートナーの開拓だ。これが契機となって現在ではサブスクリプション比率は前年比約3.5倍のペースで伸びているという。「間接販売では困難だったユーザーの利用状況の直接的な把握が可能となり、ソフトウェア製品の安定的かつ継続的な成長を支えています」(平野氏)。

伝統的な製造業でも「コト売り」によるマネタイゼーションは可能

 サブスクリプションに基づくソフトウェアを活用したマネタイゼーションの波は、製造業にも押し寄せている。そして、先進的な取り組みを進めている企業は既に成果を出しているのだ。

 カーン氏がその代表例として紹介したのが大手タイヤメーカーのミシュランである。タイヤ業界は今や成熟した市場にあり、旧態依然とした「モノ売り」の中で性能やコストを競い合っても、飛躍的な成長を見込むのは困難だ。そこでミシュランは、タイヤにセンサーを取り付け、タイヤの摩耗状態や走行距離の他、さまざまなデータの収集を開始した。そしてこのデータを基に、燃費を改善したりタイヤ交換のタイミングをアドバイスしたりする運用コストの最適化サービスを実現したのである。さらにこのサービスは、走行距離に応じてタイヤ使用料を支払うサブスクリプション型の「マイレージ・チャージプログラム」へと発展していった。これにより顧客はタイヤに関するメンテナンスや廃棄などから解放され、トータル経費を最適化するという体験価値を買うことが可能となったのである。

 カーン氏は「この結果としてミシュランは、タイヤから収集したセンサーデータを基に新しい収益源を創出することに成功しました。重要なことは、タイヤのような伝統的な製品であっても『コト売り』のマネタイゼーションは可能だったことです」と述べる。

ジェムアルトのソリューションによるマネタイゼーションの成功事例

 さらにカーン氏が、ジェムアルトのSentinelを用いて「コト売り」への移行を実現した事例として紹介したのが米国QSCの取り組みである。

 スタジアムやアリーナ、アトラクション、テーマパーク、ホール、映画館などの施設に向けてオーディオ&ビジュアル装置を提供しているQSCは、ネットワークとソフトウェアにより音響や映像を制御したり、機能をアップデートしたりできる装置を提供したいと考えた。こうして開発された統合型システムプラットフォーム「Q-SYS」をベースに、QSCは施設ごとの規模や特性に合わせた音声プロセッシング、制御、監視などの付加価値サービスをサブスクリプションで提供するビジネスモデルを確立することに成功したのである。「そこから得られるソフトウェアライセンスの収益は、当初の予測を20%も上回る実績で推移しています」とカーン氏は語る。

QSCの取り組み QSCは、既存の「モノ売り」に加えて、サブスクリプションによる「コト売り」のビジネスモデルの立ち上げにも成功した

 もう1つカーン氏が取り上げたのは、フィリップスのヘルスケア事業部門における活用事例だ。医療機器メーカーからヘルスケアサービス企業への転換を目指す中でフィリップスは、自分たちが提供している医療機器の価値を再定義し、ビジネスモデルを変革したのである。

 「例えば超音波(エコー)検査装置は非常に高価なことから、大病院でしか導入できないという問題がありました。これに対してフィリップスは、超音波検査装置の価値は『スキャン回数』で測るべきではないかと考えました。大病院では月に1000回を超えてスキャンを行いますが、小規模な病院ではせいぜい100回程度です。こうした本来の価値に応じてさまざまな医療機器を利用できるサブスクリプション型のビジネスモデルを構築したのです。これによりフィリップスは売り上げを伸ばすとともに解約率を低減し、併せて医療機器の標準化を実現することで運用コストを下げるなど、収益向上に成功しました」とカーン氏は説明する。

フィリップスのヘルスケア事業部門の取り組み事例 フィリップスのヘルスケア事業部門の取り組み事例。顧客である病院が持つ医療機器と、フィリップスのバックオフィスによるソフトウェアの管理の橋渡しをジェムアルトの「Sentinel」などが担う

 もっとも、こうしたビジネスモデルの変革には多くの苦労が伴うのも現実だ。契約や課金に関する業務プロセスからサプライチェーンに至るまで、あらゆるオペレーションを見直す必要があるからだ。各医療機関に設置された医療機器とフィリップス社内のバックオフィスシステムを結ぶ複雑なソフトウェア管理の橋渡しをジェムアルトのソリューションが担うことで、この課題を解決してきたという。

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提供:ジェムアルト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月11日