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» 2019年02月13日 06時00分 公開

安全システム:事故の責任割合確定を60日から1週間に短縮、通信ドラレコとAIの自動判定で

損害保険ジャパン日本興亜は2019年2月8日、ドライブレコーダーの映像をAI(人工知能)技術で分析して、自動車事故の責任割合を自動算定するシステムを開発すると発表した。同社とドライブレコーダーの映像解析を得意とするジェネクストとの共同開発で、2019年内のリリースを予定している。2019年8月までに開発を終える計画だ。

[齊藤由希,MONOist]

 損害保険ジャパン日本興亜は2019年2月8日、ドライブレコーダーの映像をAI(人工知能)技術で分析して、自動車事故の責任割合を自動算定するシステムを開発すると発表した。同社とドライブレコーダーの映像解析を得意とするジェネクストとの共同開発で、2019年内のリリースを予定している。2019年8月までに開発を終える計画だ。

 これまで、事故の責任割合が確定するまで平均して60日間要しているのを、開発技術により1〜2週間に短縮するとともに、95%以上の精度を確保する。責任割合の判定基準を可視化することにより保険契約者の納得感を向上させるとともに、保険金支払いまでの期間を短縮することで満足度を高める。

責任割合が確定するまでのイメージ(クリックして拡大) 出典:損害保険ジャパン日本興亜

 ドライブレコーダーの普及に伴い、事故の責任割合を判断する際にドライブレコーダーの映像を活用するケースが増えている。その一方で、ドライブレコーダーの映像から車速や相対的な距離などを分析するには人手が必要で時間がかかっていた。

 ジェネクストは、広角レンズでゆがんだドライブレコーダーの映像から速度や相対的な距離、位置情報を分析する特許技術を持つ。この技術に、道路上の標識や横断歩道などの路面標示を認識するAIを組み合わせることで、責任割合の判定を自動算出する。AIの学習には2000件以上のドライブレコーダーの動画データを用いる。具体的には、GPSで取得した保険契約者の車両の位置情報、ドライブレコーダーに映った相手の車両の位置情報、両者の速度を事故発生前から時系列で抽出する。これにより、両者のクルマがどのように動いていたかを把握する。その上で、過去の判例や損害保険ジャパン日本興亜の知見を基に、基本的な過失の割合や修正を適用するかどうか、根拠、過失の見解を自動的に作成する。

 今後は、過去の自動車事故に関する判例のデータベースとマッチングさせていくプロセスにもAIの活用を検討している。

 責任割合の自動算定の対象となるのは、損害保険ジャパン日本興亜の個人向けドライブレコーダー特約「DRIVING!」だ。契約件数は2018年12月末時点で5万件。同特約のドライブレコーダーは通信機能が搭載されており、衝撃を感知すると動画が自動的に損害保険ジャパン日本興亜に送信される。事故対応担当者の端末からも動画の確認が可能となる。同特約以外のドライブレコーダーについては、映像が保存されたSDカードを借りたり、動画を見せてもらったりすることで自動判定を実施する。

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