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» 2019年02月22日 08時00分 公開

イノベーションのレシピ:紙切れ1枚からの起業、ソニーがスタートアップ創出ノウハウを外部提供へ (1/4)

ソニーは、2014年から取り組んできた社内スタートアップの創出支援制度で得たノウハウを外部提供し、スタートアップ支援に本格的に乗り出すことを発表した。

[三島一孝,MONOist]

 ソニーは2019年2月20日、2014年から取り組んできた社内スタートアップの創出支援制度で得たノウハウを外部提供し、スタートアップ支援に本格的に乗り出すことを発表した。

5年間で14件の事業化に成功

 ソニーのスタートアップ創出支援プログラムは2014年から「Seed Acceleration Program(SAP)」として、ソニーの社内ベンチャー創出を目的に設立された。2014年度には社内インフラを整理し、2015年度には販売インフラとしてにクラウドファンディングとEコマースのサービスを兼任するサイト「First Flight」を立ち上げた。その後2016年度には海外でも展開できるインフラを整備するなど、さまざまな体制整備を進めてきた。

photo SAPの沿革(クリックで拡大)出典:ソニー

 同時にこの時期にさまざまな新規事業プロジェクトを進行させ、スマートロック「Qrio」や、腕時計のベルト部分にスマートウォッチとしての機能を持たせた「wena wrist」、ロボットトイプラットフォームの「toio」などを世に送り出してきた。例えば、wena wristは国内だけでなく海外での販売を開始している。Qrioは現在ソニーネットワークコミュニケーションズの取り扱い製品となった他、toioもソニー・インタラクティブエンタテインメントの取り扱い製品となり、家庭用ゲーム機「PS」のノウハウと組み合わせた展開が進んでいる。

photo ソニー Startup Acceleration部門 副部門長で、Startup Acceleration部統括部長である小田島伸至氏

 案件数としては、34件のインキュベーションプロジェクトを進行させ、その内14件の事業化に成功しているという。5年間の取り組みの手応えについて、ソニー Startup Acceleration部門 副部門長で、Startup Acceleration部統括部長である小田島伸至氏は「2014年にほぼ1人で手探りの中、始めたプログラムだったが、取り組みを進める中で、さまざまな成果を残すことができた。ハードウェアスタートアップが多いがその事業化ということに関してみると、他のスタートアップ支援の枠組みと比較しても遜色ない結果を残すことができている」と語る。

 同プログラムを推進する中で工夫したのが、事業そのものとプラットフォームに分けて取り組みを進めてきたという点である。「プログラム内で事業化に成功すると巣立っていってしまう。そうすると、ノウハウが残らないという課題があった。そこで新事業創出のプラットフォームを切り分けて構築する形で進めてきた」と小田島氏は述べている。

 このプラットフォーム部分の仕組みが確立されたことから、今回あらためてプログラム名を「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」に変更し、スタートアップの創出支援を行う枠組みそのものを外部提供することを発表した。

photo スタートアップ創出支援の枠組みを外部提供(クリックで拡大)出典:ソニー
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