自動車業界で広く選ばれている、設計レビュー支援ツールとは設計レビュー支援ツール

設計レビュー支援ツール「Lightning Review」は、近年ますます品質の確保が重要視される自動車業界のソフトウェア開発現場から生まれ、2017年9月にリリースされたツールだ。誰でも簡単に「伝わる指摘」が記録できることや「確実な修正確認」を可能にすることが評価され自動車業界を中心とした組み込みソフトウェア開発の現場で幅広く利用されている。ここでは「Lightning Review」が選ばれる理由とともに自動車業界での導入事例を紹介する。

» 2019年03月05日 10時00分 公開
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 組み込み機器のソフトウェア開発において、設計レビューは極めて重要な工程だ。しかし多くの場合、効率的かつ充実したレビューを求められるにもかかわらず、なかなかうまくいかないのが現実だろう。その要因の1つとなっているのは、レビューの記録と管理ではないだろうか。

 レビューの記録や管理にExcelを使用しているという方は多いだろう。しかし、ブロック線図が描かれることも多い仕様書などに対して、指摘事項を文章化して記録するのは手間がかかる上、分かりやすくもない。もし、指摘箇所や指摘内容の意図がきちんと伝わらなければ、適切に修正されず“差し戻し”、つまり二度手間になってしまう。

 また、前回のレビューでの指摘が正しく修正されたのかどうかを確認するのも手間がかかる。レビューの記録を参照し、当該ドキュメントの修正前と修正後を交互に見ながら確認していくことになり、煩雑で決して効率が良いとはいえない。「こういうことじゃないのに」「どこを修正したの?」「直すのはその図じゃなくてこっち」などという会話をした経験もあるだろう。

よくある“設計レビュー”での困りごと よくある“設計レビュー”での困りごと

 こういった課題はデンソークリエイトでも同じだった。デンソーグループの中で、近年さらに重要性が増している車載ソフトウェアの開発や先行研究を行っている同社は、開発文書の品質向上に向けて重点的にレビューにも取り組んでいる。そこで、自らの課題を解決するために開発したのが設計レビュー支援ツール「Lightning Review」なのである。

手書き感覚で記録、1画面で修正確認

 「Lightning Review」は、レビューにおける指摘の確実な伝達と修正状況の視覚的な管理を実現し、それらに関わる作業の効率化を支援してくれるツールだ。

 まず、指摘事項の記録は、指摘対象となる部分をキャプチャーし、指摘箇所をマーキングして、指摘内容や理由などをコメント欄に書き込む。「どこを修正すべきか」ということを画像とマーキングで確実に伝えることができ、伝達ミスや認識の食い違いを防止することができる。操作が簡単なことも重要なポイントで、印刷した成果物を指し示したり、手書きで修正内容を書き込んだりするのに近い感覚で、ストレスなく記録できる。修正結果の記録も同様で、修正後の状態をキャプチャー、マーキングし、コメントを書き込むだけだ。

指摘・修正箇所をイメージでダイレクトに記録 指摘・修正箇所をイメージでダイレクトに記録。画面に映るものであればどんな形式でもレビュー可能

 WordやPowerPointなど文書作成ツールには、修正記録やコメントなどを追加できる校正機能があるので、指摘事項の伝達にこういった機能を活用するという方法もある。ただし、対応状況などの管理は、やはりExcelなど別のツールで行わなければならないのが難点。Lightning Reviewならば、ステータスが色分けされて表示されるため管理も同時に行うことができる。レビューで記録された指摘はステータス別に色分けされ、画面の中に並べられる。誰が見てもレビューの状況が一目で分かるようになっている。

指摘・修正の状況が視覚的に分かる 指摘・修正の状況が視覚的に分かる

進捗管理、議事録出力、分析機能も

 レビューの指摘や管理に関する情報は、レビューごとに「レビューファイル」という1つのファイルに保存される。共有フォルダに格納しておけば、複数のメンバーがレビューファイルを開いて、指摘を追加・更新することができる。同時アクセスによって作業が滞るといったこともない。

 また、複数のレビューファイルから、レビューの実施状況やステータスごとの件数を一覧表示することもでき、各レビューの進捗を管理することもできる。

 Lightning Reviewはレビューの記録をExcelに出力することも可能だ。出力フォーマットは、簡単なマウス操作で自由に設定することができ、Excel連携アドインによってボタン1つで作成できる。これは、顧客や委託先などに提出するフォーマットが決められているような場合にも、より確かな情報を手間なく提出できるようにするためだ。Excelへの出力の他に、表紙、目次といったレポート(PDF形式)の作成機能も用意されている。

 分析機能もある。Excelのピボットテーブルと同じような操作性で分析を行うことができ、レビューごとの指摘の種類や重要度別件数を見たり、複数のレビューを横断して、機能、工程、あるいは担当者など自由自在に分析したり、グラフ化したりすることができる。まずはレビューをしっかりやり切ることだが、次のステップとして現場改善などにも活用することができるだろう。レビューファイルを指定するだけで分析を始めることができるため、分析のためだけにExcelファイルを作成する必要がない。

 Lightning Reviewは、レビュー実施から修正確認、レポート提出、分析まで、レビューを網羅的に支援してくれるツール。しかも直感的に、容易に操作でき、運用の自由度もあるため、ツール導入のための教育がほとんど必要ないのもうれしい。

指摘内容の勘違いによる修正ミスが大幅に減少

 実際、デンソークリエイト社内でLightning Reviewの使用前、使用後の差し戻し比率を比較したところ、使用前は約8.6%だったのに対し、使用後は8分の1以下となる約1%にまで減少した。また、指摘修正箇所を特定する時間がほぼゼロになったことも大きな効果になっている。

デンソークリエイト社内における導入効果 デンソークリエイト社内における導入効果

 では指摘箇所の修正確認プロセスは、Lightning Reviewによってどう改善、効率化されるのか。従来の手法は、管理表と修正前の成果物、修正後の成果物といった必要な情報がバラバラに存在していることに問題の原因があった。そのようなやり方では、成果物の中の指摘箇所を特定するのも大変、複数の画面を切り替えながら内容を確認するのも大変で、件数が多ければある程度流さざるを得ない状況にもなり、レビュー自体の質の低下や形骸化につながる。しかし、Lightning Reviewを使用すれば、指摘内容や修正結果の内容が1画面に表示されるため切り替える必要がない、確認作業が容易となり、ミスも起こりにくい。同じ時間でも内容の濃い、深いレビューを実現する。

点在していた情報を集約し、1画面で修正を確認できる 点在していた情報を集約し、1画面で修正を確認できる

トヨタ自動車 BR-メディケアロボット室「レビューの質の向上が、ソフトウェア品質と開発効率の向上につながっていることが肝だと思う」

 指摘事項の伝達と管理のしやすさというLightning Reviewの最大の特徴を生かしているのが、トヨタ自動車のBR-メディケアロボット室である。

 同部門のソフトウェア開発は変更開発が中心で、膨大な変更要求を作業者に割り当てて対応している。変更内容によっては複数の確認者(レビューア)によるチェックが必要となる。そのため、レビューアには大量のレビュー依頼が舞い込んでいた。

 同部門では会議形式のレビューと帳票を用いた形式のレビューを実施している。

 会議形式のレビューでは、作業者とレビューアが対話でやりとりするため指摘の意図や修正結果が伝わりやすい。一方、レビューアの日程調整が困難であった。

 帳票を用いた形式のレビューでは、指摘・修正箇所の記録や修正確認のやりとりをレビュー記録用の帳票上で行うため、レビューアの都合がよいタイミングでレビューできる。一方、指摘箇所や修正箇所を全て文章で表現し記録しなくてはならない手間があった。

 同部門ではレビューが頻繁に開催されることから日程調整が容易な帳票を用いた形式のレビューが中心となっていたが、文章化の手間に加えて指摘箇所や修正箇所が伝わらないことによる修正ミスや記録者への確認作業が発生しており、開発の妨げになっていた。

 これらの課題を解決するべく導入したのがLightning Reviewである。Lightning Reviewによって、帳票を用いた形式のレビューのように任意のタイミングで実施でき、指摘箇所や修正箇所を画像で記録することで「誤記でしょうか?」、「誤記です、修正しました」と会議形式のようなやりとりで修正確認(=レビュー完了)まで進められるようになった。

 また、利用者からは「Lightning Reviewによって指摘がしやすくなることで、ドキュメント内の伝わりにくい表現などの細かな点に対しても従来に比べて指摘・修正が入るようになり、ドキュメントの質が向上した。また、上流工程である設計ドキュメントの段階で誤記や誤解が減ることで、実装時に埋め込むバグや開発の手戻りが減り、ソフトウェア品質・開発効率の向上も期待できる良い流れ(スパイラル)ができたと感じている。レビューをする楽しさも感じるようになった」といった声が寄せられている。

指摘箇所や修正箇所を画像で記録することで対話のようなやりとりでレビューが成立する 指摘箇所や修正箇所を画像で記録することで対話のようなやりとりでレビューが成立する

アイシン精機 ソフトウェア技術部「レビューが狙い通りの内容に近づいた」

 アイシン精機 ソフトウェア技術部も、Lightning Reviewを活用して効果をあげている。

 同部門では、ソフトウェアの品質向上のために、回覧形式、会議形式の2段階でレビューを実施している。回覧形式のレビューでは、会議形式で設計内容について深く確認をするために、上位文書からのヌケ・モレや可読性の問題を除去している。しかしExcelの管理票に指摘内容を入力するのは、漏れなく、分かりやすく記入することが難しく、修正者に伝わりにくい。成果物を印刷して指摘事項を手書きするという方法も試したが、修正結果の記録を残しづらく、修正状況の管理も困難だった。その結果、回覧形式のレビュー後でもヌケ・モレなどの問題が残ってしまい、会議形式のレビューでは本来の目的である設計内容の確認に集中しきれないという状態だった。

「Lightning Review」導入前の回覧形式レビューと会議形式レビュー 「Lightning Review」導入前の回覧形式レビューと会議形式レビュー

 このような課題を解決するために、Lightning Reviewを導入。採用のポイントは、指摘箇所をキャプチャーして確実に伝えられ、効率的にヌケ・モレなく記録できるところだった。さらに直感的に操作でき、新たなツール導入に伴う現場の負荷がかからない点も大きなポイントだった。

 Lightning Reviewの導入により、回覧形式のレビューの指摘が漏れなく伝わり、正しく修正された上で会議形式のレビューを実施できるようになってきた。会議形式のレビューでも指摘や確認がスムーズに行え、議論すべき設計内容に集中できるようになり、狙い通りの内容に近づいている。同部門の西浦 洋一氏からは「指摘内容が確実に伝えられるようになっており、開発現場はとても助かっている。別ツールで行っている課題やスケジュール管理も統合できれば、管理者の負荷を軽減できるため、開発や管理を統合的にサポートするソリューションに成長させて欲しい」と将来への期待も込めたコメントを寄せている。

「Lightning Review」導入後の回覧形式レビューと会議形式レビューの状態 「Lightning Review」導入後の回覧形式レビューと会議形式レビューの状態

負荷なくチーム単位で導入できる

 Lightning Reviewは、5ライセンス(5名が利用可能)単位で購入可能なことやサーバやデータベースなどの環境が不要なことから、主に部署やチームといった比較的小規模な単位で導入し、その後良さが伝わりライセンスを増やしたり、他部署等に横展開されるケースが多いという。

 また、年に数回の頻度でバージョンアップを行っており、機能追加やユーザーからの要望対応を行っている。

 Lightning Reviewは、60日間フル機能の評価ができ、5ライセンス(年間利用料6万円)からの導入が可能。設計レビューに伴う、指摘事項の確実な伝達・記録と管理のストレスをなくし、本来レビューですべきことに時間をかけられるようになるはずだ。

「Lightning Review」の価格と動作環境 「Lightning Review」の価格と動作環境

「2019 Japan IT Week 春 後期」で「Lightning Review」を展示

 デンソークリエイトは、2019年5月8〜10日に開催される「2019 Japan IT Week 春 後期」の「第28回 ソフトウェア&アプリ開発展(SODEC)」に出展する。本記事で紹介したLightning Reviewの他、工数・プロジェクト管理ツール「TimeTracker NX」などについて、製品に精通した開発チームやサポートチームから直接話を聞くことが可能だ。

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提供:株式会社デンソークリエイト
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月31日