特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2019年03月12日 11時00分 公開

製造業IoT:国内製造業のIoT活用、大手に易く中小に難し? (1/2)

日本能率協会コンサルティングが「第4回ものづくりIoT実態調査」の調査結果を報告した。これまでの調査結果との比較から、IoTで現場の課題解決に取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている企業は着実に増えているものの、企業規模別や業界別で差が広がりつつあるという。

[朴尚洙,MONOist]

 日本能率協会コンサルティング(JMAC)は2019年3月6日、東京都内で会見を開き、同社が実施した「第4回ものづくりIoT実態調査」の調査結果を報告した。これまでの調査結果との比較から、IoT(モノのインターネット)で現場の課題解決に取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている企業は着実に増えているものの、企業規模別や業界別で差が広がりつつあるという。

 JMACでは、製造業のIoT活用に注目が集まり始めた2015年から毎年、ものづくりIoT実態調査を実施しており今回は4回目となる。同社はものづくりIoTについて、下から「I.課題解決」「II.最適化」「III.価値創造」という3つのレベルが積み上がっていくピラミッド構造で捉えている。また「I.課題解決」で即時的な効果を得やすい現場主導アプローチと、「III.価値創造」の実現に必須のトップダウンによるデザインアプローチの両輪が重要な役割を果たすともしている。この考え方を基にして、同社の製造業の顧客向けにWebアンケートを行い、246件の有効回答を得た。

JMACにおける「ものづくりIoT」の考え方 JMACにおける「ものづくりIoT」の考え方(クリックで拡大) 出典:JMAC

 今回の調査結果におけるIoTのレベル別取り組み状況では、「I.課題解決」について既に実行中という回答が35%、現在計画中を含めると64%に上った。また「II.最適化」も現在計画中を含めて41%に達した。一方で、「III.価値創造」については同22%にとどまっている。

第4回ものづくりIoT実態調査におけるIoTのレベル別取り組み状況 第4回ものづくりIoT実態調査におけるIoTのレベル別取り組み状況(クリックで拡大) 出典:JMAC

 2016年実施の第2回から2018年実施の第4回まで3年間の調査結果を比較すると、「I.課題解決」への取り組み中という回答(既に実行中、現在計画中)は、2016年が43%、2017年が55%、2018年が64%と着実に増加している。「II.最適化」の取り組み中という回答は、2016年と2017年は32%で変化がなかったが、2018年は41%に微増している。「III.価値創造」は、2016年が19%、2017年が22%、2018年が22%でほぼ変化がない。JMAC 執行役員 デジタルイノベーション事業本部 本部長の松本賢治氏は「日本の製造業は、現場主導の積み上げ型の取り組みが多いこともあり、なかなか最適化や価値創造まで一足飛びにいかないのではないか」と語る。

3年間のIoTのレベル別取り組み状況の推移 3年間のIoTのレベル別取り組み状況の推移(クリックで拡大) 出典:JMAC
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